逆経年変化
2カ月ほど前に、ふっと思いついて長野県のある経営者に電話をした。すると、偶然にもその前日に20年前に小生が書いたリポートを読み返し、「懐かしくなったので久しぶりに電話でもしようかと思っていたところだ」といわれた。20年も保存して読み返してもらえるなんて著者冥利につきる。
10日ほど前に、福岡で開かれたある会で札幌の経営者と会った。雑談のなかで、小生が連載をしているあるコラムをほとんど毎回、読んでいると言われた。そのコラムは2009年1月から連載を開始し、基本的に月2回発刊なのですでに180回を超える。そのほとんどを読んでいてくれているというのだから、読者はありがたい。
その経営者から、「昔と比べると最近は文章が丸くなってきた」と言われた。「歳をとっただけでしょう」と言って笑ったのだが、自分でも常に文章が変化してきているのが分かる。まず、どのような書き方をしたら読んでもらえるか。読んでもらえないことには始まらない。読んでもらえたら、次に、どのように表現したらより正確に理解してもらえるか。書いた内容が正しく伝わらなければ意味がないからだ。このようなことを毎回、試行錯誤しながら書いている。少しずつ変化するのは自然だろうと思う。
ある人から「いろいろなところに連載しているが、どのくらい書いているの」と聞かれた。そこで数えてみたら驚いた。自分で毎月発行しているリポートは1人でA4版紙20数枚を書いている。それを除いて、外部の媒体に出稿して原稿料をもらっている本数(活字媒体とWeb)を数えてみた。週1回連載が1本(月4本)、月2回連載が1本(月2本)、月1回が3本、それに隔月刊が1本(月0.5本)、さらに季刊の話が新たに入ってきた(月0.25本)。これを合わせると月に9.75本の原稿を出稿していることになる。それにイレギュラーのオファーがある(今月は2本)。
まぁ、休みなしでも3日に1本の原稿を外部に書いていることになる。その間に、取材をしなければならない。忙しいのはありがたいことだが、注意しなければならないのは経年変化だ。通常は経年変化というと時間の経過とともに劣化してくることを意味する。そこで最近は、時間を経るごとに付加価値が増していく、逆経年変化にできるよう心掛けている。
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