10年ぶりの枕崎
先週、鹿児島県の枕崎に行ってきた。前回の訪問は2007年6月だったので、偶然にもちょうど10年ぶりだ。行きは鹿児島空港から高速バスだったが、帰りは指宿枕崎線で枕崎駅から鹿児島中央まで戻った。
10年前に訪ねた時には枕崎駅はホームだけで駅舎がなかった。前年の06年3月に旧駅舎が解体され、13年4月に新駅舎が完成したからだ。その時にはなかった駅前観光案内所もできていた。
昨年9月に訪ねた北海道の稚内駅は最北端の始発・執着駅だが(16年9月12日「北国」)、枕崎駅は本土最南端始発・執着駅である。観光案内所に稚内駅の写真が貼ってあるので、昨年秋に稚内に行ってきたと案内所の人に言ったら、稚内と枕崎は友好都市になっているという。そこまでは知らなかったのだが、偶然にも両駅に行ったことになる。
実は、前回来た時に駅舎がなかったので、ひょっとして廃線になるのだろうか、と危惧したのである。しかし、旧駅舎とは少し離れた位置だったが、新駅舎ができていたので安心した。それに対して稚内駅は、昨秋訪ねた時には思いもしなかったが、その後、JR北海道の発表によると旭川以北は採算が取れないとのことで、存続が心配されるようになってしまった。
鹿児島空港から高速バスに乗ったのは小生ともう1人だけ。みたところ地元(枕崎)の高齢のご婦人のようだった。途中の乗降客は1人もいない。結局、始発から終点の枕崎駅までの乗客は2人だけ。これでは燃料代や高速料金にもならないのではないか。
枕崎駅から列車に乗ると、両側の車窓からカラカラ、カラカラという音がする。何だろうとみたら車体が線路わきの木の枝を擦る音だった。単線なので両側から枝葉が伸びても伐採できず、路線の維持も大変なのだなと実感した。
時間帯の関係だろうが、乗客のほとんどは高校生だった。だが、バスにしろ鉄道にしろ、採算だけでは判断できない「存在価値」がある。必要とする国民がいる限り、公的資金を投入しても「足」を維持すべきだ。
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