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2017年7月31日

Yes(もどき) but ‥‥

 先週はいろいろあったが、印象に強く残るのは政治的な動きだ。加計学園の獣医学部新設問題で衆参両院が予算委員会の閉会中審査を行った。また、PKO部隊の日報をめぐる特別防衛監察の結果が公表され、稲田朋美防衛大臣が辞任した。

 特別防衛監察は防衛大臣の直轄組織である防衛監察本部が行うもの。身内の調査結果においてすら、大臣への「報告があったことは否定できず」という表現になっている。国民がそれをどう読むか、である。
 加計学園をめぐる閉会中審査はテレビや新聞のニュースでしか見ていないが、安倍晋三総理はYes butに徹する指導を受けて臨んだらしい。Yes butは、簡単にいうと相手の言い分をいったんはそのまま受け止め、その後で、しかし‥と切り返すような話法である。相手から引き出したい内容によっては、自分も取材の中で用いることがある。

 安倍総理の人事について、お友達、同じ思想の同志、イエスマンだけを重用すると、ある人が言っていた。そして、そのような人たちは大事にするが、自分と意見が異なる人たちに対しては、No! と叫ぶだけでいっさい議論に応じようとしない。

 だが、支持率が下がってきたので閉会中審査に応じざるを得なくなった。それが裏目に出ると大変なので、Yes butを徹底することにしたのだろう。もっとも、よく聞いていると本当のYesではなくYesもどきだが、表面的には謙虚さを演出して好感度を上げようと「印象操作」に努めたようだ。

 だが、肝心なのはbut以下で、それは従来と何ら変わらずNoに徹していた。稲田前大臣も含めて厚顔さだけが印象に残った観がある。その前段のYes(もどき)の「印象操作」の効果がどうだったかは、今後の各種世論調査に表れるだろう。

 それにしてもである。笑点の三遊亭小遊三さん的な表現をするなら、「モリもカケも飽きただろう。はやく正直に言ってしまえばかつ丼をとってやるよ」、といった思いだ。おっと失礼。もっと美味しいものを毎日食べている人たちだった。

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