キャンパス
日本物流学会の全国大会があった。今年は東京・国分寺市の東京経済大学が会場である。東経大の校内はスペースもゆったりしていて緑も多い。いかにも大学のキャンパス、という雰囲気だ。
東経大は古くからの歴史があり、しかも都内ではあっても23区外なので、ゆとりをもったレイアウトが可能なのだろうと思う。都心部の大学ではなかなか「キャンパス」という感じにはなりにくい。スペースの制約などから、どうしても機能本位の感じになっている。その点、東経大は環境的にも恵まれていて、このような雰囲気の中で勉強ができる学生が羨ましい。
年1回の物流学会の全国大会には毎年、可能な限り参加するようにしている。今年も2日間にわたって勉強をさせていただいた。物流を専門的に学んだことのない自分にとっては、希少な勉強の場だ。
自分はジャーナリストなので、学者や研究者ではない。だが、取材した内容をただ報告するだけで一件落着としたのでは物足りない。取材の積み重ねで得られた多数のファクトを、どのように整理・分類・分析して簡単な理論化を図るか、というのは自分にとって大きな課題である。そのための切り口の示唆やヒントを得る数少ない機会である。
今回の特徴としては、最近は物流が注目されてきたと、何人かの先生があいさつなどの中で触れたことである。念頭にあったのは、とくにこの間のネット通販と宅配をめぐる一連の報道などの影響であろうと思われる。実際、一般の人たちの物流に対する関心が高まってきたのは事実だ。また、行政でもかつて経験したことのないほど、具体的な施策を打ち出してきている。今回の研究発表も、これら昨今の社会的関心を反映したような研究テーマが多かった。
物流学会の翌日には、ある大学の学生が当事務所を訪ねてきた。研究論文を作成するためのヒアリングである。その学生は大手問屋に就職が内定しているということだったので、物流事業者を使う側だね、と言ったのだが、ともかく「学問」的な1週間だった。しかし、我がキャンパスは現場であるというスタンスは忘れないようにしよう。
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