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2017年10月

2017年10月30日

盛衰

 土浦城址に写真を撮りに行ってきた。茨城県トラック協会のPR誌に使用するイメージ写真の撮影である。高校生などの若い人を対象に編集し、毎年1回の発刊で今年度が通巻21号になる。毎号、見開きの目次のページに、茨城県内の名所などを写真で紹介しているが、今年は土浦城址の櫓門(県指定重要文化財)にする予定で撮影に行ったのである。

 土浦城の築城は不詳のようで、938~947年(天慶年間)に平将門が砦を設けたという説もあれば、記録的には1429~1441年(永享年間)に今泉(若泉)三郎が築いたともいわれている。いずれにせよ、各種資料によると土浦城は5重の堀と土塁に囲まれた平城だったようだ。往時のその形状が亀の姿に似ていたので通称「亀城」と呼ばれていたという。そのため現在では亀城公園となっている。本丸などは残っていないが、櫓門(明暦2年)、高麗門(文久2年)、霞門などが昔の姿を留めている。

 同県の出身なので土浦城址は何度か行っているが、ここ10年以上はご無沙汰だった。地図は頭に入っているので、久しぶりに駅から歩いて行った。すると、商店のシャッターが下りていたり、かつては商店が並んでいたところが更地になっていたりする。地方都市の衰退を実感した。

 高校生のころは土浦というと大きな町で、バスに乗ってスポーツ用品などを買いに行ったものだ。たしか、このあたりにあったスポーツ用品店で、先輩や同輩と一緒に行って買ったよな、という記憶がよみがえってくるのだが、店は跡形もない。盛衰という言葉が頭に浮かんできた。

 写真を撮り終わって駅までの帰り道、浦島太郎の物語を思い出した。浦島太郎は竜宮城にいる間に長い時間が流れ、故郷は変わってしまった。おそらく、その驚きや寂しさに耐えかねて玉手箱の蓋を開けてしまったのだろう。浦島太郎の時代なら300年の時間をかけて変化したものが、いまは数十年にも満たない間に過ぎ去って大きく変わってしまう。

 そういえば土浦城は「亀城」ともいったな。すると自分にとっての玉手箱は何だろう。

2017年10月23日

路面電車

 長崎は坂の街といわれるが、たしかに起伏が多い。また、路面電車の街でもある。運賃は一律120円なので上手に使うと便利だ。

 昔は路面電車が走っている都市がけっこうあった。だが、自動車の増加にともなって少しずつ消えてしまい、現在では少なくなった。それでも先月出張で行った富山、札幌、高知はいずれも路面電車が走っていて、札幌と高知では乗車している。

 路面電車といえば10日ほど前に行った宇都宮では、次世代型路面電車(LRT)を新設する計画のようだ。これから新たに路面電車を開設するのは異例ともいえる。宇都宮で烏山線に乗り換えて宝積寺駅で降り、タクシーで取材先に行ったのだが、その近くにもLRTの駅ができる予定という。タクシーのドライバーに聞くと、駅からそのあたりまで乗車するビジネス関係の客が一番多いらしい。LRTが開通するとタクシー会社にとっては大きな打撃になるだろうと思われる。

 ところで長崎は10数年ぶりだ。帰りの飛行機の時間の関係で、今回は出島とグラバー園だけに絞って訪ねた。出島では教師に引率された小学生の団体がけっこう多かった。修学旅行かあるいは社会科の授業の一環と思われる。

 グラバー園に近づくと、坂の道と両側の建物から、前回訪ねた時を思い出した。グラバー園から見下ろす長崎港の景観は独特のものがある。出島やグラバー園を訪ねると、長崎が昔は最先端の国際都市だったことが実感できる。

 市内移動ではタクシーに何度か乗ったが、全体的に道幅が狭く、しかも坂道の両側に建ち並んでいる建物などには独特の雰囲気がある。だが、一方通行が多いので、慣れない人では目的地に着くのがけっこう大変なようだ。

 タクシー・ドライバーによると、長崎は春と秋が観光シーズンだが、オフでも観光客が比較的多いとのこと。繁閑の差が小さいのなら年間を通してタクシーの稼働が良いのではないかというと、台数が多いためドライバーの実入りは少ないという。平均的な収入を聞いたが、たしかに少ない金額だった。そして、「路面電車の120円には勝てませんよ」という言葉が印象に残った。

2017年10月16日

選キョか、消キョか

 選挙の真っ最中だ。1週間後には選挙結果が判明するが政治情勢はどのようになるだろうか‥。

 7月下旬に数人である計画を話し合っている時、10月中旬ごろ解散総選挙になるかも知れない、という嫌な予感が頭の片隅を過った。目の前には現職の衆議院議員もいたが、根拠は何もなくまったくの勘である。ところが案の定だ。おかげで10月中旬の予定で準備を進めていた計画が中止になり、来春ごろに延期しようということになった。

 それはともかく、今回の選挙は争点が分かりやすい。理由は民進党の分解である。民進党には様ざまな政治的立場の人たちがいた。1つの党に収まっている方がおかしいほどの考え方の違いだった。その人たちが大きく2つに分かれたことで、選挙の争点もハッキリしたのである。

 今回の選挙の争点、選択は改憲か護憲かである。護憲は立憲・共産・社民だ。それに対して改憲が2派に分かれていることが、一見、分かりづらくしている要因である。改憲は安倍派の自民・公明、非安倍派(反安倍派ではない)の希望・維新に分かれる。

 改憲(安倍派=自民・公明or非安倍派=希望・維新)vs護憲(立憲・共産・社民)というのが本質的な構図だ。つまり改憲か護憲かが基本的な選択肢で、さらに改憲賛成の人は安倍派か非安倍派のどちらかを選ぶということになる。

 だが、表面的には与党(自民・公明)vs野党(希望・維新or立憲・共産・社民)のように見える。つまり、与党を選ぶか野党を選ぶかが先にあって、さらに野党支持者は改憲か護憲かを選ぶような思考構造である。「選挙」ではなく「消去」法になってしまう理由もここにある。

 この錯覚が選挙結果に大きく影響してくることになるだろう。先週は新聞、テレビなどマスコミの調査による選挙予想が相次いで公表された。その結果、どの予想をみても与党(自民・公明)が優位に選挙を展開しているという結果になっているのは、そのためである。改憲vs護憲を基軸に選択すれば、同じ改憲でも非安倍派の数が増えて安倍派が減るだろうと思われる。

 それにしても、最近は株価が上がっている‥!?

2017年10月 9日

めでたいでんしゃ

 やぁ、驚いた。6日に和歌山市内で仕事があったので1泊し、7日は和歌山城に行こうと思っていた。だが朝になって、先に加太の淡島神社に行こうと考えが変わり、南海電鉄の和歌山市駅から加太に行くことにした。

 ところが加太線のホームに行くと大勢の人だかり。これでは電車に座れないなと思ったが、意外にも座ることができた。小学低学年と思われる男の子を連れた母親が隣に座ったので、何ですか? と尋ねてみた。すると、同線にはキャラクター電車が走っているが、新バージョンの海をイメージした「めでたいでんしゃ」ができ今日(10月7日)からスタート。しかも、その1番電車なのだという。たしかに椅子も魚などの絵が描かれており、社内のデザインも海をイメージしている。つり革も魚やカニなどの形にしている。

 出発する時には大勢の人がホームで小旗を振ったり写真を撮ったりして見送ってくれた。電車に乗らなかった人がたくさんいたので、なぜ座れたかが分かった。加太までは約25分だが、沿線でも小旗を振ったり写真を撮る人たちがいた。加太駅ではセレモニーの用意がしてあった。

 加太では淡島神社に行った。できれば友ケ島(沖ノ島、地ノ島、虎島、神島からなる)の沖ノ島に渡りたかったのだが、時間の関係で次の機会にすることにした。加太港から沖ノ島までは船で約20分である。淡島神社は人形供養や雛流しで有名なようだ。人形がたくさん並んでいた。また、安産祈願や婦人病の治癒を願って女性がパンツを奉納するらしい。賽銭泥棒というのはあるが、神社で下着泥棒はないのだろうか? などと不埒な想像をしてしまう。

 次に行った和歌山城は約2年4カ月ぶりである。だが前回はすごい雨だった。仕方がないのでタクシーで市内を回ったのだが、和歌山城の天守閣が一番見える場所に停車してもらい、窓を開けて写真を撮っただけだった。今回は天候には恵まれたので良かった。

 偶然にも「めでたいでんしゃ」の1番電車に乗ることができた。加太からの帰りも「めでたいでんしゃ」だった。何かめでたいことが偶然に起きるのではないかと密かに期待している。

2017年10月 2日

増刷(第2刷)

 今年1月に出版した『トラック運送企業の生産性向上入門』(白桃書房)が増刷になり、第2刷が手元に届いた。

 過去に一番増刷された著書の場合、初版が発行された2カ月後に2刷り、その3カ月後に3刷り、さらに3カ月後に4刷り、その後も順調に増刷されたので、かなり早いペースだった。今回は初版の発刊から約9カ月後の増刷である。

 それでも増刷になったので、ともかく良かった。ホッとしている。最近は本が売れないので、出版社もなかなか本を出してくれない。ある程度、売れそうだという見通しがないと、出版契約が難しいのである。

 昔を懐かしがっても進歩はないが、バブルのころは「何か書きたいテーマがあれば出版しますよ」と言ってくれる出版社もあった。ところがバブル崩壊後は徐じょに厳しくなり、こちらから企画を持ち込んで検討してもらうようになった。それでも最初は口頭で構想を説明するだけで良かったのだが、やがてラフのコンテンツを持参して検討してもらうようになってきた。

 そのような中で出版を了承してくれたのだから増刷はありがたい。出版社に義理が立ったので、とりあえず一安心。これで、次の企画を持ち込む時に多少は有利な条件ができたことになる。

 それにしても売れないライターは厳しい。知り合いの物流業界人の何人かは、流通一般を対象にした方が良いのでは、と言ってくれる。また、運送業を対象にして書いても買ってくれないから、むしろ荷主側に立った内容を書いた方が売れるよ、と言う人もいる。一方、編集者の中には、浅い内容でも良いから、表層をさらりと書き流す程度の原稿なら、ある程度は売れるから出版しても良いと言ってくれる人もいる。軽い内容の方が売れるのは事実だ。

 いずれも、その通りだと思う。だが、それは分かっていても、なかなか‥。

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