熱暑の懸念
記録的な猛暑が続き、さらに過去になかったような進路をとる台風の襲来と、日本列島は迷惑な「初めてづくし」の夏である。このような中で最近は、2年後のオリンピック・パラリンピックを懸念するような話題が日常会話の中で上るようになってきた。
開催時期が秋ではなく夏になったのは、スポンサー収入との関係といった話も聞く。それはともあれ、何よりも選手が大変だ。観客だって暑さ対策をしないと救急搬送が続出といった事態にもなりかねない。けっして良いことではないが、救急車がスムーズに走れるようにするにはどうするか、といった対策も必要になる。
暑さ対策で競技開始時間を早めたとしても、たとえばボランティアの人たちは開始時間よりも前にスタンバイしなければならない。すると、公共交通機関を通常よりも早く運行するようにすることが必要だ。早朝から深夜までの観客の移動の足の確保も同様である。
どうしても物流関係者と会って話す機会が多いので、オリ・パラでの懸念も必然的に物流に関するものになるが、人流、物流とも前回のオリンピック当時とは条件が大きく違う。
たとえば日本の名目GDPを比較すると、1964年は29.5兆円だったが、2012年では479.8兆円になっている。これは名目GDPなので、1つの目安として消費者物価指数による物価水準を比較すると、1964年を1として2013年は4.18なので4倍以上だが、経済規模の違いは歴然としている。また人流、物流への影響と深く関わるので東京23区における人口を比較すると、住民基本台帳等人口調査要綱によれば、1964年1月時点では874万人だったが、2018年1月では948万人にまで増加している。
先日、ある大学教授がオリ・パラ開催期間中の都心部における宅配便規制をどうするかを考えなければならなくなった、と話しかけてきた。そういわれても当方としては「それは難問ですね」としか応えようがない。これから日本の夏はどうなっていくのか、そして2年後のオリ・パラは大丈夫なのかなど、暑くて考えるのも嫌になってくる。
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