2つの記者会見
先週1月10日の夜は、どのテレビ局のニュース番組をみてもレスリングの吉田沙保里選手の引退記者会見を報じていた。吉田さんは五輪と世界選手権を合わせて16の金メダルを取っている。レスリングの世界で頂点を極めた人だ。
だが、どのメダルが1番印象に残っているかという記者の質問に、リオ五輪の銀メダルと答えていた。金メダルではない。最後の試合となったリオ五輪の決勝で負け、唯一の銀メダルとなった。だが、吉田さんは負けた人の気持ちが初めて分かったという。そして競い合う仲間がいたから頑張ってこれたということが分かったのだと答えていた。
負けて得るものを負けたことで知ることができ、成長につながったとも話していた。長年にわたってレスリングで世界の頂点に立ち続けてきたとはいえ、まだ30代半ばである。立派だなと感心した。これからの人生もきっと素晴らしいものになるだろうと思う。
同日はもう1つの記者会見もニュース番組で報道されていた。韓国の文在寅大統領である。日韓両国の関係では、やはり元徴用工への賠償をめぐる問題が大きな関心事だ。だが、問題をすり替えて無責任な答弁に終始していた。
日本であれ韓国であれ民主主義国家なら三権分立は当然だ。一方、同問題は1965年の日韓請求権協定で決着している。たとえ協定の内容に不満足な点があったとしても、国と国が締結した協定は守らなければいけない。これは組織と組織の契約や個人間の約束でも同じだ。
三権分立と国家間の約束である協定のどちらも尊重するのであれば、賠償金の支払いなど判決の履行は、責任をもって韓国政府が元徴用工と協議して解決すべきだ。元慰安婦の問題も然りである。
同時に、我われも元慰安婦や元徴用工の心情に、思いをはせる機会にすべきだろう。
« 仕事スタート | トップページ | トラックの後ナンバー »
コメント