小雨の飫肥
都城に行ったので、翌日は日南市の飫肥を訪ねた。梅雨時なので仕方がないが、あいにく小雨の1日だった。それでも、傘をさしての城下町の散策も風情があると前向きにとらえることにした。それに平日の雨の日ということもあるのだろうが、全体的に観光客が少ないのでどこでものんびりできたのも良かった。もちろん「おび天」も堪能した。
飫肥は昔の城下町の建造物が保存してあって観光には良い。資料によると「重要伝統的建造物群保存地区」として1977年に九州で最初に国の選定を受けたとある。だが前々回(6月10日づけ)の「尾道から鞆の浦へ」でも書いたように、誰も住んでいないと思われる屋敷も目に付いた。無人の家屋では傷みもかなり目立つ。このままでは、この先どうなってしまうのか、といった心配をしてしまう。下手に建て替えるわけにもいかないだろうし、さりとて現状のままではだんだん廃屋のようになってしまう。
保存されている歴史的町並みは、一見の観光客にとっては懐古的で良いかも知れない。だが、保存・維持するのは大変だろうと思う。同じような条件にあるところでは、みな同様の問題を抱えているのではないだろうか。
豫章館の敷地の中にあるお茶処草で抹茶を飲んだが、客は自分1人だったのでお茶を入れてくれた人と少し世間話をした。それによると、お茶処などの運営はずっと飫肥城下町保存会が行ってきたが、ごく最近、日南市も運営に関わるようになったのだという。また、飫肥は観光客が減少しているので、油津港にクルーズ船が寄港できるようにして、外国からの団体観光客を誘致する計画を進めているという話だった。同じ日南市内でも油津港から飫肥までは少し距離があるので、バスで移動して飫肥城などを見学できるようにする構想らしい。これまでは通関などの関係で外国船が油津港に直接入ってこれなかったのだという。地元にとって観光客の誘致は大事だろうが、景観の損傷などにつながらなければ良いのだが…。
その日は南郷のホテルに泊まって、翌日は青島に寄って帰った。
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