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2019年8月

2019年8月26日

良い所を見つける

 「北の国から」うれしいメールが来た。7月22日の当コラムで「富良野駅」を書いたが、その時に訪ねた取材先の社長からのメールである。取材をしながら様ざまな話をしたのだが、その中でドライバー不足と募集などにも話題が及んだ。

 その時、業界あるいは自社にも良い点は必ずある。ネガティブな面だけをみて無意識のうちに消極的な姿勢になるのではなく、ポジティブな面を再確認して前面に出すことも必要だ、といった主旨の話しをした(らしい)。その1つが従業員の人たちに自社の良い点を挙げさせることだといったら、早速それを実践したようだ。「当社の良いところを挙げてみろとドライバー集会を懇親会がてら早速聞いてみました。ほぼ全員の意見が『まとまった休みがとれる点』ということに苦笑でしたが………その後、ぽんぽんとドライバー確保が進み、現在なんとか定数に見合うことになりました(ママ)」という。

 社内で常に自分たちの良い点や強みを話し合うことは良いことだ。もちろん経営的な観点からは悪い面や弱点を分析することは不可欠である。その分析には、第3者的立場からの意見を聞くことも必要だ。長い取材経験の中ではこれまでに何人かの経営者から「当社の弱点や欠点を率直に指摘してほしい。そのために必要な資料は可能な限り開示する」と言われたこともある。中には次期社長候補についての意見を求められたことも何度かあった。悪い点についての自己評価は、どうしても点数が甘くなるからである。それに対して、従業員同士による自社の良い点についての評価は、多少甘くなってもかまわない。自分たちの良い点や強みを出し合うことが自信につながり、その積極的な姿勢は外部にも伝わる。それが会社に対する外部からのイメージや評価にもなってくるからだ。

 自分たちにはこのような良い点があるのだ、という確信をもって従業員が働いていれば、応募者も増え、定着率も高まる。そのような雰囲気の職場なら、新入社員も良い会社に入ったと思うようになる。だが、やっと採用したがすぐに辞める人が多いのは、もちろん本人の問題もあるが、たとえば添乗指導で先輩が1日中、会社に対する不平不満や愚痴を言っているようなことが大きな原因の1つでもある。それではまじめな新入社員ほど、ひどい会社に入ってしまった、できるだけ早く別の会社を探した方が利口だ、と思うのは当たり前だ。

 悪い面だけを見て「どうせ何々だから……」という意識になるのではなく、良い面を見つけ出して積極的になることは大切である。「まとまった休みがとれる」なんて、堂々と自慢できる素晴らしいことだ。それに対して当方は、8月に入ってから今日まで、まだ2日しか休んでいない。

2019年8月19日

記憶力の低下

 ここ数カ月間はあまり本を買わない。そもそも仕事(物流分野)に関する本などは、これまでもめったに買わなかった。買って読むのは、その都度、気の向くまま読み流す内容のものばかりである。内田康夫さんの逝去に際して書いた「永遠の30代」(2018年3月26日)でも記したように、浅見光彦名探偵をはじめ、西村京太郎さんの十津川警部シリーズなどの旅情ミステリーが多い。軽く読めることと、仕事で行ったことのある地方が物語の舞台になるので、楽しいからである。

 ところが読み終わった本を事務所に積んでおいたら、いつの間にか結構な数になり、狭い事務所をいっそう狭くしている。そこで今年の初めに、古本屋に売ってしまおうと思った。だが、持っていくのが大変なので、そのうちにと思いつつ、今日までずるずると来てしまった。一方、書店に行っても両著者のシリーズはたくさん並んでいるので、読んだものなのか、まだ読んでいないのかが分からないものがある。そんなことから、すでに読んで事務所に積んである本の中から選んで、もう一度、読むことにしたのだ。

 そんなことで最近は本を買わずに、手持ちの本から選んで再読するようにしたのだが、自分の記憶力のなさには改めてガッカリしてしまう。読んでいると断片的に、以前に読んだことがあるなと思いだすのだが、大部分は忘れてしまっているからだ。

 記憶力の衰えということでいえば日常的にしばしば体験するのは、顔は覚えていても名前がなかなか頭に浮かんでこないことである。仕事の関係で多数の人が集まる場に行ったときなど、しょっちゅう経験している。また、人の名前に限らずとくに固有名詞が思い出せない。それに、むかし会った人の名前の方が良く覚えていて、最近、初めて会った人の方が名前を忘れやすい、あるいは思い出せないという傾向がある。

 忘れたことを分かっているのが健忘症で、忘れたことすら覚えていないのが認知症だという。そこから判断すると、まだ健忘症のようなので、それだけは救いだと自分を慰めている。

2019年8月12日

空気の存在

 毎日が暑くて暑くてなかなか眠れない。最近は熟睡できないので、朝など少しでも長い時間、横になっているようにしている。それでも昼過ぎになると眠くなって、事務所で原稿を書いていたりするとウトウトしてくる。そんな時には、狭い事務所に椅子を並べて30分でも昼寝するようにした。それだけでも頭がすっきりして、我慢するよりも作業効率が上がるからだ。

 夜も、あまり好きではないが毎晩クーラーをかけて寝ている。だが、できるだけ「冷房」ではなく「除湿」にするようにしている。気分的な問題だが、その方が体に良いような気がするからだ。しかし、冷房にせよ除湿にせよ、やはり熟睡はできないようで夜中に良く目が覚める。あまりにも寝苦しい時には、シャワーを浴びてから再び横になる。シャワーで汗を流すだけでも、けっこう気持ちが良くなって、少しは寝ることができるようになるものだ。

 また、夜中に目が覚めて起きた時に外気がさほど暑くないようなら、クーラーを切って窓を開けて網戸だけにして横になる。するとほんのわずかだが空気が動くのが分かる。とても微風とまではいかないぐらいの空気の動きなのだが、肌に気持ちよく感じるのだ。そんな時、空気の存在を実感できる。普段は空気の存在など全く感じない。だが、暑苦しい夜に、わずかな空気の動きが感じられると、空気というものの存在を認識するのだから不思議だ。

 若い時には草むらに寝転んでそよ風に吹かれながら昼寝をしたこともあった。何もしないで、ただ時が過ぎていく。そんな時間が最高の贅沢だと思ったこともある。もっと子供のころは、夏には木陰に縁台をおいて昼寝したりした。けっこう自然の風が吹いていて気持ちよく昼寝できたものだ。同じ夏の暑さでも、今よりはましだったような気がする。そういえば子供のころは、あまり寝心地は良くないがハンモックで昼寝したこともあったな。

 だが、最近の猛暑では、とても木陰で昼寝などできない。日陰でも熱中症になってしまうほどの暑さだ。このままいくと地球はどうなってしまうのか。あまり難しいことは考えずに、とにかくぐっすり眠りたい。

2019年8月 5日

時代とスポンサー

 プロ野球のオーナー企業をみると、昔は映画会社や水産会社などもあり、鉄道会社も今より多かった。だが、現在は映画会社は1社もなくなり、鉄道会社も少なくなった。それに代わってIT系や金融系などが出てきた。時代の変遷とともに、経済構造が変化してきたことを反映していて面白い。それに対してマスコミ系は昔から変わっていないが、これは本業との相乗効果があるからだろう。

 自分は野球よりもサッカーの方が好きで、当コラムにも何度か書いているが、Jリーグ発足から鹿島アントラーズのファンだ。そのアントラーズの経営権をメルカリが取得した、という発表があった。日本製鉄とその子会社が保有するアントラーズの発行済み株式72.5%のうち、61.6%メルカリに譲渡したというもの。

 アントラーズはJリーグ発足(1993年)以来、1度もJ2に降格していない。発足当時のチームをオリジナル10と呼ぶらしいが、オリジナル10でJ1から降格していないのは横浜F・マリノスとアントラーズの2チームだけだ。その間、リーグ優勝の8回はトップだし、AFCチャンピオンズリーグ優勝1回なども含めると、20冠を達成している。

 アントラーズがすごい点は2つあると思っている。1つは、成績の良くない年でも、リーグ戦で2ケタ順位になったのは、2012年の18チーム中11位だけで、あとは1ケタ台の順位に入っていること。2つ目は、若い選手を育成してこれから主力として活躍が期待されるという段階でも、海外のチームからオファーがあり、本人が望めば躊躇なく送り出していることだ。それも1人や2人ではない。試合を見ていて、海外チームに移籍したあの選手がいたらなぁ、と思うような場面もある。それでもコンスタントに強さを維持しているのだからすごい。

 一方、IT系オーナー企業のチームの中には、峠を越えた海外の著名選手をかき集めているところもあるが、あの人ならやっぱりな、と変に納得する。まるで四半世紀も前のJリーグ発足直後にタイム・トリップしたかのようで、本業との落差に苦笑する。

 プロ野球にしてもサッカーにしても、古くからの基幹産業系のオーナー企業はどっしり構えているように見える。ずっと昔にさかのぼれば、いわゆる「旦那衆」的な趣がある。それに対してIT系やネット系などの新興企業の創業者などは、商売上手ではあるが何でも短絡的にリターンを求める傾向が強い。もちろんプロスポーツだから利益を追求するのは当然だ。だが、それはスポーツを通しての利益追求であって、親会社の商売に直結させようとする露骨な利益追求とは違う。

 さて、アントラーズだが、新しいオーナーに代わってどうなるか。従来にはなかったファン層が増えることは喜ばしいが、同時にオーナーの度量はどうなのかを観察しよう、という楽しみが増えた。

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