良い所を見つける
「北の国から」うれしいメールが来た。7月22日の当コラムで「富良野駅」を書いたが、その時に訪ねた取材先の社長からのメールである。取材をしながら様ざまな話をしたのだが、その中でドライバー不足と募集などにも話題が及んだ。
その時、業界あるいは自社にも良い点は必ずある。ネガティブな面だけをみて無意識のうちに消極的な姿勢になるのではなく、ポジティブな面を再確認して前面に出すことも必要だ、といった主旨の話しをした(らしい)。その1つが従業員の人たちに自社の良い点を挙げさせることだといったら、早速それを実践したようだ。「当社の良いところを挙げてみろとドライバー集会を懇親会がてら早速聞いてみました。ほぼ全員の意見が『まとまった休みがとれる点』ということに苦笑でしたが………その後、ぽんぽんとドライバー確保が進み、現在なんとか定数に見合うことになりました(ママ)」という。
社内で常に自分たちの良い点や強みを話し合うことは良いことだ。もちろん経営的な観点からは悪い面や弱点を分析することは不可欠である。その分析には、第3者的立場からの意見を聞くことも必要だ。長い取材経験の中ではこれまでに何人かの経営者から「当社の弱点や欠点を率直に指摘してほしい。そのために必要な資料は可能な限り開示する」と言われたこともある。中には次期社長候補についての意見を求められたことも何度かあった。悪い点についての自己評価は、どうしても点数が甘くなるからである。それに対して、従業員同士による自社の良い点についての評価は、多少甘くなってもかまわない。自分たちの良い点や強みを出し合うことが自信につながり、その積極的な姿勢は外部にも伝わる。それが会社に対する外部からのイメージや評価にもなってくるからだ。
自分たちにはこのような良い点があるのだ、という確信をもって従業員が働いていれば、応募者も増え、定着率も高まる。そのような雰囲気の職場なら、新入社員も良い会社に入ったと思うようになる。だが、やっと採用したがすぐに辞める人が多いのは、もちろん本人の問題もあるが、たとえば添乗指導で先輩が1日中、会社に対する不平不満や愚痴を言っているようなことが大きな原因の1つでもある。それではまじめな新入社員ほど、ひどい会社に入ってしまった、できるだけ早く別の会社を探した方が利口だ、と思うのは当たり前だ。
悪い面だけを見て「どうせ何々だから……」という意識になるのではなく、良い面を見つけ出して積極的になることは大切である。「まとまった休みがとれる」なんて、堂々と自慢できる素晴らしいことだ。それに対して当方は、8月に入ってから今日まで、まだ2日しか休んでいない。
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