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2019年9月

2019年9月30日

地球温暖化

 スウェーデンの「環境少女」グレタ・トゥンベリさんはすごい。国連本部で開かれた気候行動サミットで演説する姿をテレビのニュースで観たが、まだ高校生だというのに実に堂々と自分の意見を主張している。

 それに対して日本の小泉進次郎環境大臣はというと、ガッカリした。環境大臣に就任してから、これまで以上にテレビのニュースで発言を聞く機会がふえた。確かに演説は巧みだ。一般の人の個人名をはじめ、固有名詞を上手にちりばめて演説や話をする。自分の名前はもとより、所属する団体名や地域名、地元の特産品その他の身近な固有名詞を挙げらると、それに関係の深い人はたちまちファンになるだろう。そのような意味では演説が「上手い」というよりも「巧」なのである。

 だが、話の中身はとなると、具体的なことにはほとんど触れていない。とくに政策的に争点となるような点については、抽象的な言葉で肝心なことをぼかしたりして、ハッキリとした見解を述べていないのである。

 よく父親の純一郎元総理と比較されるが話の内容は違う。元総理にはむかし1度だけインタビューをさせてもらったことがある。総理大臣になる前のことだが、忙しいスケジュールの中、1時間ほど時間を取っていただいた。いろいろな質問をぶつけると、何についてはこうするとか、何はこうしなければいけないとか、自分の考えをハッキリ述べる人だった。内容の是非を別にすると、賛否があっても自分の考えを具体的に主張していた。肝心な点ついては触れずに巧みに逸らしてしまう環境大臣とは全く違った。

 その最たるものが郵政民営化だった。敵は多かったはずだが、それでも自分の主張を堂々と述べ、それを貫いた。ワンイシューであっても、ハッキリと自分の意見を表明していた。

 グレタ・トゥンベリさんもワンイシューと言えばそうだが、すごい人だ。自分が16歳のころを思い出せば、そのすごさが分かるだろう。猛暑や集中豪雨、台風の猛威など実際に自分の日常生活で地球温暖化の影響を実感するようになってきた。みんなが真剣に考えなければいけない段階になっている。

2019年9月23日

太陽の塔

 大阪モノレールの万博記念公園駅を降りたらすぐに「太陽の塔」が目に入った。太陽の塔は1970年の3月15日から9月13日まで開かれた大阪万博の時に、岡本太郎さんが制作した万博を象徴するような作品だ。以来すでに49年にもなる。約半世紀が経つというのに直接、見たのは初めてだ。

 関西大学千里山キャンパスで日本物流学会が開催されたので、それに合わせて京都、大阪の企業を取材した。京都といっても久御山町だし、大阪も摂津市なので、吹田市にある関大千里山に近い会社を選んでの訪問だった。それでも移動には苦労した。大阪や京都、奈良、兵庫などは、取材にしても講演にしてもピンポイントでの出張が多い。だが、今回のように比較的、近いエリア内とはいえ1日に何カ所かを訪ねるとなると、交通網が頭に入っていないので苦労する。大阪、京都、神戸などは私鉄や地下鉄、モノレールなどが細かに走っているので地元の人たちには便利だろうが、慣れないと逆に複雑で分かりづらい。

 そんなことから学会に出席する前日の夜は、関大へのアクセスの良い万博記念公園のところのホテルに宿泊することにした。そして太陽の塔を初めて見て、前回の大阪万博からもう約半世紀かと思った瞬間、不思議なことにS君のことを思い出した。彼は国立大学教授の息子で、建築を学んでいた。当方は、とりあえず土木に席をおいていたのだが形だけで、ほとんど勉強はしなかった。だが、サークルではけっこう顔を合わせていた。彼はリーダーシップがあって小さなサークルをまとめていたからだ。

 ところがある日、彼が「大阪万博の間、大阪に行ってくる」といった。万博会場の様ざまな建造物などを直に見て勉強するのだという。約半年という長い期間になるので、「衣」はともかく、「食」「住」を確保しながら毎日、万博会場に入るには、会場内でアルバイトするのが良いと応募して採用されたのだ。そんなことで万博開催の期間、彼は東京を離れた。

 卒業して数年後に、彼は一級建築士として自分の設計事務所を立ち上げた。当方は当時、石油化学工業製品の市場調査をして報告書をまとめるような仕事をしていた。そこで建築で使用する断熱材について教えてもらうため、彼の事務所を訪ねてヒアリングさせてもらった。久々の再会で仕事以外の話しもはずんだが、それ以来、顔を会わせることもなく40年以上が過ぎた。だが、太陽の塔を目にした途端、彼のことが頭に浮かんだのである。

 2025年5月3日から11月3日まで、大阪・関西万博が予定されている。どんなレガシーが作られるのだろうか。

2019年9月16日

Web・決済・ラストマイル

 ヤフーがZOZOを買収する。前澤友作(前)社長の個人的な懐工合は知らないが、ヤフーからするとネット通販強化の一環だろう。数カ月前のアスクルの役員選出を巡る一連の動きも、ヤフー(ソフトバンクグループ=SBG)がネット通販でAmazonや楽天に短期間で追い付き、追い越したいという思いの表れに過ぎない。

 日本におけるネット通販の大手3社といえばAmazon、楽天、ヤフーだろう。だが、この3社はタイプが違う。Amazonは基本的には商品を自社で仕入れて自社で販売する「小売型」である。それに対して楽天は、基本的には仮想モールにテナントを入れて、テナント料などの収入をベースにしている「モール型」だ。ヤフーは基本的には「オークション型」である。

 このうち「小売型」は自分で商品を売っているのだから販売した商品を届ける責任が伴う。だが、「モール型」や「オークション型」は自分で商品を販売しているわけではないので、商品を届ける直接的な責任はない。このようなことから、3社の物流に対するプライオリティが違っていた。ラストマイルにおいて常にAmazonが先行し、楽天がそれを追いかけ、さらに遅れてヤフーが続くという形になっているのは、以上のような理由による。

 だが、Amazonも仮想モールに進出し、反対に楽天やヤフーも小売りに力を入れだした。このようなことから各社ともラストマイルの重要性が増してきたのである。一方、宅配便の料金は上昇してきた。そこで大手ネット通販各社は、自前の配送網の構築などが必要になってきたというわけだ。

 小売市場ではネット通販の伸長だけではなく、リアル店舗も省人化が進み、いずれは無人化の方向に向かっている。このように非対面販売の割合が増えてくると、決済機能や決済システムがより重要性を増してくる。そこで決済も大きな焦点になってきた。

 これからの大きな社会的変化を見るための1つの視点として、「Web」「決済」「ラストマイル」がキーワードになってくる。

2019年9月 9日

校正(3校)終了

 「トラック運送企業の働き方改革」の校正(3校)が終わった。併せてデザイナーから出された表紙カバーの最終案も確認した。9月下旬は時間的に難しいが、10月上旬には発刊になるだろう。

 先日、編集者と打ち合わせした時に、若干だがすでに購読の予約が入っていると言っていた。30人ほどのセミナーで予告チラシを配ってもらったので、そのうちの何人かが予約申し込みをしてくれたようだ。今週は300人ほど参加するセミナーで、資料と一緒にチラシを同封してもらうので、もっと予約が入るものと密かに期待している。なにしろ最近は本が売れないので出版社も出版に慎重で、自分も販売に協力しないといけないのだ。もちろん、売れる本を書くことが一番大事だが……。

 校正についていえば、単行本に限らず外部に出稿した原稿は初校でも素読みしかしない。当著も初校、再校と素読みだし、今回の3校もそうだ。再校で訂正した以外にも、編集者が「ここはこのような表現にした方が読者が理解しやすいのでは?」といった書き込みが何カ所かある。指摘された文章の方が良いと思えば編集者の意見に従い、表現を変えるとニュアンスが違ってくるようなところはママとした。

 それにしても、校正で素読みしていると、なぜ、もっと分かりやすく表現できないのかな、とつくづく思う。文章を書くのは難しい。次に構想しているテーマは、一般向けに出版しようと考えている。すると、分かりやすく書かないといけない。それには相当、努力する必要があると痛感している。

 3週間ほど前に行った取材先で、雑談の中で「これまで何冊ぐらい本を書きました」と聞かれた。数えたことがないので分からないが、けっこうの冊数になるだろう。最初に1人で1冊書いたのは27、28歳のころだった。その時は個人名ではなく当時、勤めていた会社名での発刊だったが、自分で書いた本が国会図書館に所蔵されたのは嬉しかった。当時、書いた何冊かについては、警察から事情聴取された際に、国会図書館で事前に目を通してきた刑事から褒めてもらったことがある。このエピソードは何にかの機会に改めて書くことにしたい。

 ともかく、今度の本が売れてくれることを願うばかりだ。

2019年9月 2日

コスモス

 停滞前線の影響で天候が不安定だ。日本列島の広域にわたって、いつ、どこで集中豪雨に見舞われるかも知れない。一方、晴れ間が見えると、まだまだ残暑が厳しい。そんな中、フッと秋を感じる一瞬があった。

 JR大船渡線で一ノ関から気仙沼に向かう途中、ススキの合間から、白と淡いピンクのコスモスの花が見えた。その瞬間、秋を見つけたような気になったのである。電車の窓から見える田んぼの稲も、葉はまだ緑だが、稲穂は少し黄色みがかっている。確実に秋が近づいてきていることを感じる。

 気仙沼と陸前高田の会社を取材したのだが、両社とも5年ぶりの訪問である。気仙沼で一泊したホテルでは、復興作業に従事しているのだろうと推測される人たちがたくさん泊まっていた。気仙沼から陸前高田にはBRT(バス高速輸送システム)で行ったが、途中では新しい道路の建設工事を目にした。確かに復興を感じさせる光景ではあるのだが、道路が完成したころには、どれだけの交通需要があるのだろうか、という疑問もわいてきた。

 陸前高田に入ると5年前には何もなかった土地に建物が増えていた。その意味ではこの5年間で復興が進んだことを実感できるのだが、まだまだ更地が多い。この空き地がいずれは建物で埋まるのだろうか。とくに住民の人たちがどれだけ戻るのかというと、卒直なところ否定的な見方にならざるを得ない。

 陸前高田の小さな駅舎もできていた。だが、JR大船渡線の気仙沼~盛の間はBRTである。投資額と将来の需要見込みから、再び線路を敷設するのは難しいだろう。おそらくBRTのままになるのではないだろうか。5年ぶりに目にした「奇跡の一本松」のあたりの光景は、希望を持たなければと思う反面、悲観的な見方も否定できない。

 更地のところどころにもコスモスの花を見かけた。あとで調べてみたら、コスモスの花言葉は「真心」や「少女の純真」だった。8年半前に悲惨な災害に見舞われ、その瓦礫の中から再び立ち上がろうとした志は「純真」なものだったはず。いつまでも「真心」と「純真」さだけは持ち続けたいものだ。

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