バス利用者の立場
仕事でいろいろな地方に行く。ずっと昔は北海道の取材では長距離フェリーも利用したが、最近は長距離フェリーには乗らない。だが、離島に行く時などは短距離フェリーなら乗ることもある。長距離移動で利用するのは飛行機や新幹線で、また在来特急に乗ることもある。あとは在来の電車や電化されていない路線では列車。そして最寄りの駅からはタクシーか路線バスになる。これらの中で一番分かりづらいのが一般の路線バスだ。
電車(列車)の本数が少ない地方では、約束の時間よりもかなり早く最寄り駅に着くことがある。その電車に乗らないと、次の電車までの間隔が長いので、約束の時間に間に合わなくなってしまうからだ。そこで早くついて約束の時間まで余裕がある場合には、できるだけ駅から路線バスを利用するようにしている。交通費を節約する目的もある。だが、時間的に余裕がない時にはバスかタクシーかの選択の余地がないため迷わずタクシーだ。
これらの乗り物のうち、利用者の立場から一番問題があると思うのは路線バスである。まず、どの路線に乗れば良いのか。次に、どこの停留所で降りれば良いのか。この肝心な2点が非常に分かりづらい。最近は合理化のためか、駅前にバス会社の案内所すらない所もある。
出張で遠方に行く場合には、電車の時刻表と同時に駅からのバス路線を調べることもある。バス会社のホームページ(HP)には路線と時刻表、料金表などが当然でている。だが、いくら調べてみても、目的地に行くにはどの路線に乗れば良いのかが分かりづらい。また、乗車する路線が分かっても、目的地に一番近い停留所がどこなのかが分からない。これではHPで路線、発車時刻、料金表などを開示していても役に立たない。結局、バス会社に電話して聞くことになる。
利用者にとっての目的は、下車する停留所なのである。もっと正確にいうと、下車した停留所から訪問先までの距離(徒歩の所要時間)が分かることだ。つまり利用者が知りたい内容は、①乗車する路線と発車時刻、②下車する停留所、③発車して下車する停留所までの所要時間(平均的な目安)、④料金、⑤停留所から訪問先までの距離などである。自分は、さらにその日の天候なども加味して、バスにするかタクシーにするかを選択する。
自分が見知らぬ町でバスを利用する場合に、事前にHPで知りたいのは、目的地(何町何丁目何番地)を入力すればどの路線に乗車して、どの停留所で降りるのが一番近いか、そして料金と目安となる所要時間が表示されることである。ところが、初めて利用する人に必要なこれらの要素の大部分がHPの路線案内には欠けている。これでは地元の人にも見放されるだろう。
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