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2020年1月13日

除夜の鐘が「ゴーン」

 日本時間の1月8日夜。レバノンの首都ベイルートでカルロス・ゴーン被告が記者会見をするというので、関心を持ってテレビのニュースを観ていた。チャンネルをあちこち頻繁に切り替えながら「独演会」の映像を観たり、解説者の話を聞いたりしていたのだが、バカバカしくなってきたので、記者の質疑が始まる前にテレビを消して寝てしまった。あまりにも厚顔な自己主張と、具体性に乏しい「反論」ばかりしているので、興味が失せたのである。

 するとその夜、というより正確には翌日朝なのだが、変な夢を見た。ゴーン被告に単独インタビューをしている夢だが、取材の内容まではハッキリしない。だが、自分に都合の良いことを一方的は話すだけなので、こんなのを相手にしていても「ダメだこりゃ」と取材を打ち切った瞬間に目が覚めたのである。なぜ、そんな夢をみたのか不思議だ。ずっとむかし某音楽事務所を通して、海外からきたバンドの楽器輸送を取材したことがあった。その時、楽器だけではなくアンプやスピーカーなども総て専用のものを運んでくることを初めて知った。運送事業者はそれを空港まで引取りに行き、ライブ会場に運ぶ。その会場での公演が終わると、すぐにトラックに積み込んで次の演奏会場に輸送するのである。それらをライブ会場の中に入って取材した(その時は中野サンプラザだった)。

 ゴーン被告も「楽器」になって出国したらしいし、くだらない会見の様子をテレビニュースで観ていたこともあって夢を見たのかも知れない。だが、取材の夢を見るなんて「仕事熱心」なのか、あるいは「職業病」なのか…。それにしても、先述したようにゴーン被告は厚顔で一方的な自己主張だけ。それでもまだ、従業員やその家族を含めた会社のためを思っての主張なら分からなくはない。だが、そんなことはゴーン被告の眼中には一切ないようだ。自分個人の金もうけのための行為を正当化しようとしているに過ぎない。

 この逃亡劇にどれだけの金が動いたのだろうか。没収された保釈金だけでも15億円という。さらに、プライベート・ジェット機のチャーター料や、逃走を幇助した人たちに支払ったギャラなどが16億円という説もある。よくそんな多額の金があるものだ。厚顔無恥で一方的に自己主張できるような人間なら、金持ちになれることを実証したともいえる。

 野次馬A「がめついゴーン被告のことだから没収した保釈金の返還要求と逃亡に要した費用を、東京地検特捜部に請求してくるかも知れないな」。野次馬B「その時には本人が集金に来るように言えば良い」。野次馬C「多額の現金は重くて1人では運べないから夫人も一緒にね」。

 こんな下らないことばかり考えてしまう。はるか遠くのレバノンから除夜の鐘の音が「ゴーン」と響いてきた。それを聞いたら逆に煩悩が1つ増えて109になってしまったようだ。

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