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2020年2月

2020年2月24日

しっぺ返し

 新型コロナウイルスが日本でも猛威を振るっている。感染拡大を懸念してイベントの中止などが相次いでいる。自分の身近なところでも懇親会が中止になったりしているが、経済活動や日常生活など社会全体が委縮してしまうのではないかと心配だ。

 日常の仕事においても影響がでてきた。とくに気を遣うのは取材だ。取材先を訪ねて名刺交換などの挨拶が終わると、「マスクはどうしましょうか」と先方の意向を聞くようにしている。応接室で向かい会って、最低でも1時間あるいはそれ以上の時間を過ごすことになるからだ。先般、ある高層オフィスビルに入っている会社を訪ねた。すると、取材の本題に入る前の雑談の中で、「当ビルに入っている企業の1社から感染者が出たかもしれない疑いがあり、陽性となれば全館閉鎖かフロアー単位での閉鎖の可能性があると内々に連絡がきた」という話があった。その会社の本社機能の中にはテレワークが可能な部署と、そうでない部署がある。その人は後者の方なので閉鎖となると大変だ。

 ところで、新型コロナウイルスに関するこの間の一連のニュースの中で、印象に残ったのは政府チャーター機だった。武漢在住の邦人を日本に戻すために政府がチャーターした飛行機は5機(5回)だが、総て全日空(ANA)である。絶対に日航(JAL)ではないだろうと予想していたが案の定だ。これには自民党政権から民主党政権になり、そして自民党政権に戻ったという政権交代が関係している。

 そもそも日航は脆弱な経営体質だったが、これには地方選出の有力政治家の顔を立てて採算的に厳しい航路を増やしてきたような面があったことも否定できない。いずれにしてもリーマンショックなどを機に、経営危機に見舞われた。自民党政権下の2009年8月に国交省は日航の経営改善のための有識者委員会(日本航空の経営改善のための有識者会議)を立ち上げた。

 だが、同年9月16日に当時の民主党の鳩山内閣が発足。すると「御用学者」として有識者委員会を解散し、JALタスクフォースを設置したのである。タスクフォースは日航の経営改善を企業再生支援機構に引き継ぎ、企業再生法が適用になった。金融機関は債権を放棄(約5200億円)し、支援機構からは公的資金(3500億円)が注入された。株式は100%減資である。日航は立ち直り2012年3月期には2049億円の営業黒字なったが、経営危機時の赤字繰り越しで法人税が免除になった。その他、日航優遇に対して全日空は猛反発した。

 その後、自民党政権となったが、民主党政権下で短期間に経営再建した日航よりも、全日空を優遇するようになった。そのもっとも象徴的なしっぺ返しは、羽田空港の発着増枠の割り振りだった。2013年3月の国内線の増枠では全日空8枠に対して日航は3枠。2014年3月の国際線増枠では全日空11枠、日航4枠だった。このようなことから政府チャーター機は全日空だろうと予想していたのである。

 ちなみに自分は、国内線では全日空である。ローカル空港で日航や日航系しか飛んでいなければ別だが、それ以外は全日空を利用している。別に「しっぺ返し」ではない。

2020年2月17日

マイナス金利の「ツケ」

 自分1人だけの会社だが有限会社として法人設立したのは1997年3月。早いもので、もうすぐ丸23年が経ち24年目に入る。その間、会社が大きくもならなければ、幸い倒産もしていない。細々と良くやってきたものだと自分でも感心する。

 会社を設立する時に法人名義の銀行口座を開設した。当時の6大都市銀行だった三菱、三井、住友、富士、三和、第一勧銀の全部に口座を持とうと思っていた。会員制のリポートを毎月発行する考えだったので、購読企業が購読料を振り込む時に、振り込み手数料が少しでも安くなるように、という考えだった。購読企業は自社のメイン銀行から振り込みたいだろうし、同一銀行間ならば他行に振り込むよりも手数料が安いからだ。

 だが、当時は会社の電話が携帯のみで回線電話がなかった。銀行によっては設立したばかりで何の実績もなく、回線電話すらないような法人には口座を開設できない、というところもあった。これからは携帯電話とノートパソコンだけの法人ができてくる、そんな古い考え方では時代についていけなくなる、などと小理屈を並べて何とか口座を開設したのが6行中の3行だった。ところが、その後の金融再編成で、口座を開けた3行と口座を開けなかった3行が上手く組み合わさった。口座のある銀行同士や口座のない銀行同士の経営統合がなかったのである。その結果、口座のある銀行は三菱UFJ、三井住友、みずほの3行になった。金融再編成も予測して先見の明があった? ことになる。

 ところで最近は振込手数料の値上げや、口座管理手数料を取るといった動きが強まってきた。日銀がマイナス金利の導入を発表したのが2016年1月だったので4年が経つ。この間、銀行の収支は悪化し、業績を上げるための方策の1つとして、振込手数料の値上げや口座管理手数料などを打ち出して来たのである。先般、日銀がこれら銀行の動きに対して、海外の金融機関の仕組みなども参考にするべきだ、という報告をまとめたという。日銀がマイナス金利をはじめ金融緩和策を続けている副作用として銀行の収支が悪化し、そのツケを個人や法人を問わず、銀行利用者に転嫁しているのではないか。そのことを棚に上げて海外の仕組みも参考にするべきなどと、良く言えたものだ。

 これだけ長期にわたって金融緩和策を続けていながら、自ら設定した物価上昇率の目標が全く達成できていない。しかも金融緩和策の副作用を国民に押し付けておいて、目標不達成の責任をどう取るのか。さらに国債の買い入れで結果的には財政再建の先延ばしに手を貸し、ETF(上場投資信託)を通して株価を買い支えているが、これらのツケが最終的には国民に回ってくることは必至だ。日銀総裁は自らの責任をハッキリさせるべきではないだろうか。

2020年2月10日

立春過ぎて冬到来

 先週は節分で恵方巻が注目された。小売店が恵方巻をたくさん作り過ぎて売れ残れば、廃棄食品を増やすことになる。そこで恵方巻の販売を予約制にした小売店もあった。廃棄量が多ければ収益性にも影響すると思いきや、販売価格には想定される廃棄コストが上乗せされているので、想定内の売れ残りならロスの費用を実質的に負担しているのは購入した人たちだ。したがって予約制などにしている小売店にとっての最大の関心事は廃棄コストではない。昨今は食品ロス問題が世界的に注目されているので、企業イメージを悪くしないために予約制にして売れ残りを少なくしているのである。

 さて、節分といえば立春だが、自分が住んでいる都下や事務所のある都内では、立春が過ぎてから冬到来ということになった。これは首都圏だけではなく、立春後に日本列島の多くの地方が寒気に覆われたようだ。

 富山県魚津市の運送会社の経営者と会って話した時には、今年は雪が降らないために「雪がなくて富山国体(冬季大会)のスキー競技会(2月16日~19日)が開けない。そうかといって中止にするわけにはいかないので、近県に頼んで会場を移すことになるかもしれない」といっていた。そうなると地元のホテルや旅館などはキャンセルになるので大変だ。一方、大会の会場を引き受けた方でも、国体関係者の宿泊を急に受け入れるのも難しいだろう、といった話をした。すると、その翌日ぐらいから全国的に冷え込みが激しくなり、富山県にも雪が降った。そこで予定通りにスキー競技会を開くことに決定したという(2月7日現在)。すべり込みセーフといったところだ。

 3週間ほど前に、山形県天童市の運送会社の経営者とも今年の降雪状況について話しをした。その時点では暖冬で雪が少ないとうことだった。同社では運送事業の他に果樹園もやっている。サクランボ、ラ・フランス、リンゴなどである。高齢化が進んで後継者がいない農家では果樹栽培などを継続できなくなってきた。だが、一度、手入れを止めてしまうと、再び収穫できるようにするのは大変だ。そこで、同社では果樹園を安い料金で借りて果樹を栽培し、ネット販売などをしている。

 ところが今年は暖冬で雪がほとんどない。サクランボの木が「これから少し暖かくなってくると、春と勘違いしていつもより早くつぼみが大きくなってくることもあるので大変だ」という。「つぼみが膨らみ始めてから本来の冬の寒さがきて、雪が降ったりするとつぼみがダメになってしまう」。すると収穫できなくなってしまうからだ。そこで、冬の間は一定の雪があってつぼみが膨らみだすのを抑えおいてくれるのが自然の摂理なのだという。

 四季を通して懐が寒いのも困ったものだが…。

2020年2月 3日

マスク

 仕方なくマスクをした。福岡に日帰り出張したのだが、羽田空港も福岡空港も国際線があり、どこの国から来たどんな人がいるかわからない。ましてや同じ飛行機に中国からの団体旅行客でも同乗していたら大変だ。もっとも日頃はマスクをせずに新宿駅の近くをうろうろしているのだから、空港や機内だけでマスクをしたところで、あまり意味がないかもしれない。それでも気休めにはなる。

 通常はマスクなどしたことがないのだが、それでも風邪気味の時には周りの人に迷惑をかけてはいけないと思い、電車の中などではマスクをかけることもある。だが、それ以外では息苦しくて嫌いだ。そうはいっても新型コロナウイルスには感染したくないので、飛行機の中ではマスクをかけたのである。

 中国発の新型コロナウイルスは、まったくいい迷惑だ。有効な治療薬やワクチンの開発が急がれる。同時に、なぜ武漢市から発生したのか。発生源の特定もするべきだ。ひょっとすると、驚くような闇が見えてくるかもしれない。

 それにしても飛行機の機内はもちろん、空港内でまわりを見渡すとマスクをしている人のなんと多いことか。みんな同じ気持ちなのだろうと思う。中国発の新型コロナウイルスが原因で、多くの人がマスクをした人混みというのは一種異様な感じがする。まるで、誰もが人前に素顔をさらさないで、お互いが疑心暗鬼になる社会の到来を予告しているかのようだ。

 それに同じ中国発ということでいえば、「人民元」なるものに感染して重病に陥りそうな開発途上国がこれから増えてくるだろう。これは他人ごとではない。日本でも観光業や大型小売店その他で、すでに「人民元」の禁断症状が現れてきた。

 だが、あまり過激になるといけないので、これ以上は発言を控えたほうがよさそうだ。マスクで顔を覆い、口もつぐむことにしよう。

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