精神的引っ越し
今日は、我が事務所の引っ越しだ。午前中には廃棄やリサイクルに出す荷物の排出。午後は自宅に運ぶ荷物の持ち出しである。
独立して1人で事務所を構えてから24年目になる。最初の約4年間は元勤めていた会社の片隅に机などをおいて居候していた。その後、京王線の初台駅から7、8分ほどの所に1.5坪の狭い貸事務所を見つけて入った。さらに現在の新宿駅西口のそばのビルに移ったのは2010年の9月だった。貸事務所の運営会社が、新宿区内でのサービスは新宿駅西口近くのビルに集約するというので移ったのである。東日本大震災の約半年前のことである。それから約10年が経った。
独立して法人にはしたが1人の会社で実質的にはフリーで仕事をしている。フリーランスは自宅で仕事をしている人が多い(よほど売れていてスタッフを抱えているような人は別だが)。そこで、コロナ禍を機に賃貸契約の切れる6月末で事務所を閉鎖し、7月からは自宅で仕事をすることにした。それにしても、24年間にはいろいろなものが溜まるものだ。5月の連休明けから少しずつ不要な物を捨ててきたが、ものすごい量である。自宅にはあまり持っていけないので、この間、できるだけ捨てるようにしてきた。断捨離である。
そして今日、引っ越し作業をする。だが物理的な引っ越しよりも精神的な引っ越しの方が大変かも知れない。頭の切り替えが重要で、一番の問題は通勤がなくなることだ。通勤電車というのは感性的に貴重な時間だ。五感でもとくに視覚と聴覚で、無意識のうちに感受する情報は豊富である。
たとえば最近は少しずつ通勤電車が混むようになってきた。だが、以前と比べるとまだ何%程度だなと判断できる。そして男性の服装を見ると、以前よりもカジュアルな人の割合が多いような気がする。女性の手を見ていると、コロナ前よりもネイルをしている人の割合がかなり少なく感じる。このように視覚や聴覚からは、消費行動の変化や経済活動の回復の程度などを感受できる。これからは、それがなくなるのでどのようにカバーするかなど、新しい生活様式に挑戦しなければならない。
自宅で仕事をするとONとOFFの切り替えも難しいので精神的なコントロールが重要になる。そのような意味で精神的な引っ越しが必要だ。
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