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2021年7月 5日

語るに落ちる

 何が何でもオリ・パラの開催を強行したいらしい。だが、さすがに誰が考えても通常開催はムリなので、観客数の上限をどうするかなど、この時期になっても決めかねている。

 半月ぐらい前に、競技会場での酒類販売の是非が議論されていた中で、丸川珠代五輪相の口から「ステークホルダー」という言葉が飛び出した。テレビのニュースで観ていて一瞬、エッ! と驚いた。これこそ語るに落ちるだな、と思ったものである。だが、大会スポンサーの酒類メーカーから販売を辞退する旨の話しがあったらしい。結局、競技会場内で酒類を販売しないことになった。

 それにしても、頭脳明晰と思っていた丸川五輪相の口から「ステークホルダーの存在がどうしてもある」といった発言があるとは…。はからずも本音が出てしまったのか、それとも凡人の自分などには思いもよらない深謀遠慮があっての意図的な発言なのか。

 有観客にしても、深夜に行われる競技については無観客にするといった話もある。それにも関わらず首都圏の電鉄各社では、競技の開催に応じて深夜に臨時ダイヤを組むというニュースも流れていた。全く、どうなっている事やら。

 有観客に関していえば、大会出場が決まった日本人選手の中には、観客がいた方が励みになる、とコメントした人もいる。一般論としては無観客より有観客の方が選手にとっては励みになるだろう。だが、現状のような特殊事情を前提にした発言だとすると、フェアープレイの精神に欠けるのではないかと思わざるを得ない。普通に開催されるオリ・パラやその他の国際大会でも、ホームアドバンテージがある。まして現下の状況では、通常以上のホームアドバンテージがあるはずだ。外国選手にとっては入国時の規定、日本における練習環境や練習条件の制約、練習以外の時間における様々な制限、その他、通常の大会よりもはるかに大きなハンディがある。さらに人数を制限した有観客開催となれば、日本人の観戦者が圧倒的多数の中での戦いを強いられる。これは公平な条件下での競争とは言えないだろう。フェアプレイの精神という観点からすると、(どうしても開催するのなら)無観客にしないと平等に近い競争条件にはならない。

 そんなことを考えていたら、丸川五輪相の深謀遠慮が見えてきた。「ステークホルダーの存在」発言は、あたかも酒類メーカーをはじめとするスポンサーがいるから開催しなければならないように錯覚させるのが狙いだったのではないか。そして、開催を強行したい「最大のステークホルダー」が菅政権であることを隠蔽すためだった。なるほど、やはり優秀な人の考えることは凡人には分からないものだ。

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