新視界への広がり
(等々力渓谷=東京23区で唯一の渓谷 世田谷区)
明日で5月も終わり、明後日からは6月に入る。しばらくは梅雨のうっとうしい日々が続くのかと思うと気分も沈みがちになる。いつも通りに何となく過ぎた5月だったが、それでも何か新しい視界が開けてきたような気がする。曇天の雲の切れ間から差し込む、陽の光に照らされた僅かな空間を斬新に感じるのと同じだ。いつもの見慣れた風景でも、スポットライトに照らされたようで、今まで気づかなかった驚きがある。
ある雑誌の女性編集者から、原稿の内容は同じでも構成を変えた方が良いのでは、という提案があった。たとえば、この取材先のコメントは後の方よりも冒頭に持ってきた方が読者をひきつけるのではないか、と言ったことである。そこで編集者に一任して全体の構成を変え、出てきた校正を読んだら、これまで自分では気づかなかった新たな発見がたくさんあった。これからは、執筆時に従来とは少し違った視点からも推敲することにしようと思う。
そんな気持ちで雑誌記事の再校正をしていると、今度は別のある出版社の超ベテランの女性編集者から話があった。これまでの自分の狭い視界から、もっと広い世界が見えてくるような示唆に富んだ提案である。少子高齢化が進むこれからの日本の、社会基盤を支えるサスティナブルな物流の構築を問題提起するような原稿執筆のオファーだ。国民の物流に対する意識の転換を図らなければ、物流が抱える課題の根本的な解決にはならない、というのが主旨である。そんなことで今秋には3年ぶりに新書を上梓することになった。
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