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2022年7月

2022年7月25日

祝「物価上昇率2.3%」見通し

Photo_20220722073701 (高幡不動五重塔=東京都日野市)

 日本銀行が7月21日に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」によると、2022年度の物価上昇率は2.3%になる見通しのようだ。日銀が長年の目標にしてきた2%をやっと上回る見込みである。黒田総裁に「おめでとう」と言わなければならない。これで金融緩和政策が正しかったことがリッパに証明される。どこかの国の国家主席のように、総裁をもう一期延長してお願いしたいものだ。

 ある企業の話しである。創業者一族によるオーナー経営の会社だ。創業者の孫が社長に就任すると、ある金融機関からたくさん融資を引き出した。自分の息のかかった人を頭取に押し込んだ金融機関だから金利は「異次元」に低い。そこで、ますます借り入れを増やし、借金は膨大に膨らんだ。その借りた金を幹部社員にバラまいたので社長は幹部社員から大好評である。だが大部分の社員には何の恩恵もない。それどころか、いずれ返済しなければならない借金の重荷は一般社員の肩にのしかかってくる。

 借金のおすそ分けに与った幹部社員はホクホクだが、一般社員は希望退職で辞めさせられ、代わって非正規社員がたくさん採用された。正社員2人分の人件費以下で非正規社員なら3人雇える。そのため就業者の人数は以前より増えたが人件費総額は減少した。1人平均の賃金が下がったのである。低賃金の就業者が増えたので会社は売上・利益とも増加した。社長はじめ幹部社員たちはご満悦である。

 そして社長や役員はあたかも生産性が向上したかのように錯覚した。本来なら、生産性を向上するには技術開発や設備更新などの投資が必要だ。しかし、安い賃金の従業員に入れ替えるだけで売上・利益が増えるので、設備投資をする必要はなく、技術革新などの経営努力もいらない。若社長は「どや顔」で得意満面だが、気がつくとその間に他社との生産性の差が拡大していた。

 さらに原材料などの仕入れ価格がにわかに高騰し、利益が圧迫されてきた。もし、ここで金利が上がったら膨大な借金を返済できなくなり、会社が破産してしまう。それでは若社長の経営手法が間違っていたことになってしまう。同時に、低金利でどんどん融資してきた金融機関も大変なことになる。そこで金利は上げないと頑なになっている。しかし、身動きが取れないというのが実態だ。

 現実の話しにもどると、日銀は安倍元総理の「国葬」までは利上げしない。日銀が利上げに方向転嫁するのは9月27日以降になるだろう。以上は「エセ」ノミストの主観的な独り言である。

2022年7月18日

安倍元総理の死

Photo_20220713163201 (今年も来たね=何年か前からベランダに毎年ツバメが)

 安倍晋三元総理が選挙の応援演説中に殺害された。人の死は悲しいものだ。しかし、同じ悲しさでも自分との距離によって悲しさの度合いが違う。家族や親類、親しい友人などの近い関係にある人の死は悲しみがより深い。これは仕方がないことだ。そのような意味では、安倍元総理が殺害されたニュースをネットで見た時、近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんが亡くなられたというニュースを知った時と同じ程度に驚き、悲しく感じた。

 時間の経過とともに少しずつ論調が変化してきたが、ほとんどのマスコミが今回の殺人事件を当初は「自由と民主主義への挑戦」と表現していた。それには強い違和感を覚えた。困難な状況下でも自由と民主主義のために戦っていた人が、それ故に命を奪われたのなら、犯人や犯罪に対して「自由と民主主義への挑戦」と表現して良い。だが、報道されている犯行動機によれば、個人的な怨恨による殺人事件だ。たまたま選挙の応援演説中だったということである。

 安倍元総理の死によって懸念されることが2つある。1つは、この事件によって安倍政治を礼賛する雰囲気が高まることである。安倍元総理の死を悼み冥福を祈ることと、安倍政治に対する評価は別だ。しかし、今回のようなことがあると、往々にして安倍政治に対する礼賛一辺倒になりがちである。とくにマスコミにはそのような傾向がみられる。さらに「国葬」となると安倍政治礼賛がますます強まることが予想される。だが、安倍政治というものがどうだったのかは客観的な分析に基づいて評価されなければいけない。これは故人を哀悼することと矛盾しない。

 そしてもう1つは、これを契機に右翼言論人や一部の政治家たちが、急速に右傾化を強めるだろうという懸念である。すでにそのような言動が始まっている。殺人という最悪の犯罪は糾弾しなければいけない。また、その犠牲になった安倍元総理には哀悼の意を表する。だが、感情的になるのではなく、現実を冷静に受け止めることが重要だ。一見、安倍元総理の死を悼み、安倍政治を高く評価するかのように装いながら、その実、安倍元総理の死を政治利用しようとする、声が大きく高圧的な人たちには要注意である。

2022年7月11日

もし1社独占だったら!

Photo_20220705081801 (興福寺五重塔=奈良市)

 KDDIの通信障害で大きな影響が出た。auの通話やデータ通信だけでなく、格安スマホ事業者、IoT関連など様々な方面で支障が出た。電話連絡をしたくても最近は公衆電話が少なくて探すのが大変だ。また、若い人の中には回線電話のかけ方が分からない、という人がいるという。

 物流関係でも、ヤマト運輸の宅急便や日本郵便のゆうパックなどの宅配便、それにJR貨物などに影響が出ている。その他の物流事業者でも、社用のスマホとしてauを使っている企業では仕事に支障が出たと思われる。スマホは電話やメールだけでなく、車載端末として様々に活用している事業者もある。

 スマホで定期券や公共交通機関の運賃支払いをしている人もいる。小売店などでキャッシュレス支払いに使っていて、普段はあまり現金を持っていない人もいるはずだ。その他、様々な活用がなされているが、誰しも今回のようなトラブルが起きることを想定しないで利用している。当たり前の日常生活になってしまっているのだ。だが、リスク回避として個人で異なるキャリアのスマホを複数持つといったことは経済的に難しい。せめて会社から仕事用に貸与されたスマホと個人契約のスマホのキャリアを別にする、といったことなら現実的で可能な対応策である。

 今回のようにインフラ産業でトラブルが発生すると社会的な影響が非常に大きい。もし、1社独占だったら社会全体が一時的にマヒしてしまうことになる。日本では寡占状態だが、どこか1社に事故などが発生した場合はエッセンシャル・ファシリティの相互利用ができるようにしておくべきだろう。社会的影響を最小限に抑えるためのリスクヘッジが必要だ。

2022年7月 4日

水不足や露地野菜が心配

Photo_20220630072101 (松山城天守閣=愛媛県)

 例年になく、全国的に早い梅雨明けになった。梅雨の期間が東海では13日間、九州南部が16日間、関東甲信が21日間で、いずれも最短記録という。

 天気予報で夕方から雨になるという日に傘を持たずに外出した。携帯に便利な折りたたんで小さくなる傘が古くなったので、帰るまでに雨に降られたら新しく買おうと考えていた。これから本格的な梅雨が来るだろうから新しく傘を買っても良いだろうと思っていたのだ。

 天気予報通り新宿から京王線で帰る途中でかなりの雨になってきた。京王線の高幡不動駅からモノレールに乗り換えて1つ目の駅なのだが、モノレールの駅を降りてからではすぐに傘を買えるところがない。そこで高幡不動で京王線を出て、モノレールの改札に行く途中の店で傘を購入した。ところがモノレールの降車駅に着いたら、何と雨がやんでいた。そのため買ったばかりの傘をさすこともなく家に帰ったのだが、その後、雨が降らずに数日後には梅雨明けになってしまったので、まだ新しい傘を使っていない。

 梅雨が明けるとともに(その前から)、連日の猛暑である。6月でも40℃を超える地方があったほどだ。朝の散歩ですれ違う人も、マスクをしていない人が少しずつ増えてきた。朝とはいえかなりの暑さで、マスクをしていては息苦しい。仕事で日中に出かける時も、最近はノーネクタイが普通になってきたのでありがたい。こんな猛暑の中、スーツにネクタイでは体がおかしくなってしまう。それにしても、この暑さがいつまで続くのだろうか。

 梅雨時の長雨もジメジメして困るので、早く梅雨が明けてくれたのは個人的にはありがたい。だが、7、8月の水不足や、露地野菜の不作による価格高騰などが心配だ。ハウス野菜は天候に左右されにくいが、電気料金の値上げや、石化燃料の高騰などの影響が大きい。さらに異常気象で露地野菜まで生産量が減ったりすると、おりからの物価高に拍車をかけることになる。

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