寒波の中の暖かさ
平将門終焉の地=茨城県坂東市 國王神社
日本列島が10年に1度といわれる寒波に見舞われた。24日から25日にかけて全国各地で雪が降って交通がマヒした。
皮肉なことに25日は車で高速道路を走って茨城県北部に取材に行く予定だった。降雪や通行止めなどの道路状況から、どうしたものかと考えてはいたのだが、何と、バッテリーがダメになってしまいエンジンがかからない。数日前にガソリンスタンドで点検してもらった時に、「バッテリーを交換しないといつエンジンがかからなくなるかも知れない状態」といわれた。そこでバッテリーを注文して取り寄せてもらい、出張などの関係から1週間後に交換にくる、ということになっていた。
念のために24日の夜に確認したところ、エンジンがかからなくなってしまった。大寒波でバッテリーの電池が切れてしまったようだ。そこで急遽、特急列車で最寄り駅まで行き、駅からはタクシーで取材に行く。1軒目の取材が終わったら駅まで戻り、また、電車で近くの駅まで移動してそこから2軒目の取材先まではタクシーにすることにした。問題は特急の運行状況だが、幸いほぼ定刻通りの運行だった。だが、駅からのタクシーが捕まらない。タクシー会社に電話したら、「1時間以上かかる」とのこと。それなら歩いた方が早いので前日の雪が残る道を40分ほど歩いて取材先に着いた。次の取材先には最寄り駅からタクシーに乗車できたが、ドライバーの人に聞くと「今日は3分の1ぐらいのドライバーが仕事を休んだ」という。そのため稼働しているタクシーの台数が少ないので、なかなかつかまらないわけだ。
翌日の26日は名古屋市内で取材。その夜に大阪に移動して1泊し、27日には朝から大阪駅の近くで仕事が入っていた。梅田駅の近くのホテルを予約していたのだが、JRの大阪駅と私鉄の梅田駅の周辺が複雑でホテルの方向が分からない。大阪駅の改札を出て掲示されている地図とプリントして持っていた地図を長い時間見比べていたら「どちらに行かれますか」と声をかけられた。30歳前後の長身の若い男性だ。そして、「地下を行った方が早いが、慣れないと分かりづらいので地上から行った方が良いでしょう」という。さらに近くまで一緒に来てくれるというので、恐縮だからと断ったのだが、案内してもらうことになった。
かなり近くまできて、プリントした地図を見ながら2人で歩いていると、今度は飲み屋の勧誘をしている学生アルバイトと思われる若い女性が、「どこに行くのですか」と声をかけてきた。そして、「あそこの信号を左に曲がると近くなので分かると思います」と教えてくれた。それなら1人でも大丈夫なので、2人に礼をいって別れたのだが、寒さが厳しい夜に若い人たちの親切には感謝しかない。日本も捨てたものではないと寒波襲来の中でホッとする心の暖かさを感じた。
最近のコメント