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2023年2月

2023年2月27日

拾得物

Photo_20230223082901 水前寺公園(水前寺成趣園)=熊本市中央区

 雨が降ったり、朝早く出かける日や出張中は別だが、それ以外は毎日1時間から2時間ぐらい、無理をしない程度にインターバルをとりながら走ったり歩いたりしている。その日のスケジュール次第で2時間を超える日もある。

 その途中で財布を拾ってしまった。近くに交番はない。そこで一番近いコンビニで交番を尋ねたら、「かなり離れているが、おそらくあそこが一番近いだろう」と道順を教えてもらった。普通の交番ではなく、駐在所なのだという。そこで行ってみると現在は駐在していないようで、用がある人は電話で連絡してくれ、と書いてある。

 受話器を取り上げて耳に当てるとすぐに管轄の警察の人がでて、財布を拾ったと話すと、すぐに警察官を向かわせるという。10分ほど待っていると電話が鳴り、担当の者が向かっているがあと15分ぐらいかかる。もし急いでいるのならカウンターの裏の棚に入れておいてもらっても良い、という。15分ぐらいなら待てるというと、できればその方がありがたいのでよろしくお願します、ということになった。

 ちょうど15分ぐらいでバイクに乗った巡査が到着。拾った場所や時間などを説明して、一緒に中身を確認した。現金はさほどの金額ではないが、たくさんのカード類が入っている。銀行のキャッシュカード、クレジットカード、医院の診察券なども含めると20枚ぐらいのカード類だ。その中に運転免許証も入っていたので、「簡単に連絡が取れます」ということになった。

 必要な書類にサインをしたりして、結局、その日の散歩は通常の所要時間よりも1時間以上、長い時間がかかってしまった。当日は1日家で原稿を書く予定だったので良かったが、外出の予定などが入っている日だったら大変だった。

 現金は少なかったとしても、たくさんのカード類などを一つの財布に入れて持ち歩いていると、紛失した時など大変だ。現金は入っている金額を全部失っても限りがあるが、キャッシュカードやクレジットカードによる被害は大きくなるかも知れない。まして運転免許証や保険証など身分を証明するものなどは悪用される可能性もある。最近はスマートフォン一つで何でも済ませる人がいるが、便利な反面リスクも大きい。

 今回は、幸いにして自分のような「良心的な人」が財布を拾ったから良かったものの、気を付けないといけない。

2023年2月20日

マフラー

Photo_20230215083001 豆田町(重要伝統的建造物群保存地区)=大分県日田市

 ここ数年は暖冬だったので、今年の冬は一段と寒さを厳しく感じる。そこで久々にマフラーをするようになった。

 マフラーをしたのは何年ぶりかと思い出してみた。実は、この前マフラーをしたのがいつだったかが、このコラムのおかげで分かるのである。2019年2月25日の当コラム「回り道」で、1週間ほど前に孫たちから誕生祝としてプレゼントされたマフラーを電車の中で落としてしまい、終点の駅に問い合わせたら落とし物として預かっているとのことだった、と書いていたからだ。

 夕方からのセミナーで講演し、その後の懇親会が終わってから、終点の駅までマフラーを取りに行った。そのために帰宅が午前様になってしまったのだ。それ以来、プレゼントされたマフラーをしていなかったので4年ぶりということになる。その間、暖冬でマフラーをする必要がなかったこともある。だが、今年の寒波は厳しいのでマフラーをすることにした。

 それにしても気温は下がって外は寒いが、一方では物価が上がっている。マフラーをすれば首筋は多少暖かいものの、懐はますます寒くなる今日このごろだ。

2023年2月13日

いろいろあるから面白い

Photo_20230210225401 水郷(すいきょう)日田=大分県日田市

 10日は東京でも雪が降り、鹿児島から羽田まで飛行機が飛ぶかどうか心配だった。早めに鹿児島空港に行って、搭乗予定だった便が欠航になっていないか訪ねたら、「運行はしていますが遅れる予定です。その前の便も遅れているので、まだ間に合いますから早い便に変更されますか」というので替えてもらった。おかげで当初の予定より早く羽田に着くことができた。

 もし飛行機が欠航になったら鹿児島にもう1泊かと覚悟していたのだが帰れたから良かった。11日は誕生日なので、アクシデントで旅先で誕生日を迎えるような事態にならなかったのが、最高のプレゼントと思うことにしよう。だが、鹿児島は気温が高くてコートを着ていると汗ばむぐらいだったのに、東京は雪なので気温差に対応するのが大変だった。それだけ歳をとって環境変化への適応力が鈍くなっている証拠といえる。そう考えると、誕生日がありがたいのかどうかは複雑な心境だ。

 先週は8日が熊本、9日は日田市(大分県)、そして10日が鹿児島と周った。日田は以前から行きたいと思っていたのだが、なかなか機会がなく初めて行くことができた。天領として繁栄した歴史ある街だ。「水郷(すいきょう)日田」ともいわれている(偶然だが1月には「水郷潮来」に行った)。その名の通り水運に恵まれ、木材を運ぶのに適していたのだろうと思われる。昔のたたずまいを残す豆田町も良かった。

 今回は日田での仕事が最初に決まっていた。だが、調べてみたら大分空港からではアクセスが悪い。一番便利なのは福岡空港だが、前日に熊本空港の近くで取材をし、日田に行って、翌日は鹿児島で取材をして鹿児島空港から帰る日程を組んだ。そのため熊本と鹿児島の訪問先はピンポイントで取材の日時をお願いしたのだが、いずれも当方の予定に合わせて時間をとってもらえた。ありがたいことである。

 だが、首都圏が雪に見舞われて予定通りに帰るのが危ぶまれるなど、天候は自分の都合に合わせられない。しょせん人間は自然の中の一存在に過ぎないのである。だが、結果的には誕生日を自宅で迎えられたので、まずはめでたし。そういえば昨年の誕生日の前日も雪だった。人生はいろいろなことがあるから楽しくて面白い。

2023年2月 6日

誰が尻ぬぐい

Photo_20230201074701 「『送料有料』です!」=3年3カ月ぶりの新刊(1月26日初版発行 白桃書房)

 「令和臨調」が政府や日銀に対して財政・金融政策の見直しを提言した。素人ながら共通する指摘が多い。アベノミクスの虚構を支えたのが「異次元」の金融緩和だった。9年半ほど前の2013年7月20日の当コラムを転載する。

 「ある企業の話しである。この間、ずっと業績不振が続いていた。そのような中で約半年前に社長が交代した。新社長は‥‥一部の社員を可愛がり、その社員たちを引き連れて連日のように夜の街に繰り出すようになった。社長から誘われるメンバーはホクホクである。‥‥いっさいお誘いを受けない社員たちすら、羨ましい気持ちを持ちながらも、そのうち自分もご相伴にあずかれるかもしれない、という淡い期待や雰囲気が社内に漂うようになっていた。‥‥ところが、一部の社員たちだけに大判振る舞いしていた費用は、業績が良くなったから捻出できたのではなかった。ただ借入金を増やして得た金だったのである。‥‥業績が回復するどころか、財務内容が悪化し経営はより危機的状況になっていた‥‥この間に大きく増加した借入金は、連夜のお誘いには無縁だった社員たちや、これから入社してくる人たちが働いて返済していくことになる」。

 その借金を支えていた人が黒田さんという人だった。「異次元」に国債を買い入れて政府の財政を支え、ETF(上場投資信託)を通して「異次元」に株を買って株価を支えた。その他にもマイナス金利政策の結果、銀行の諸手数料値上げとなって一般国民にツケを回している。さらに「異次元」の金融緩和は円安となって諸物価の高騰を招いている。これらの恩恵を受けている企業の社員は賃金が上がっても、下請け企業などの社員は一向に賃金が上がらない。

 そのような中で、日銀総裁の任期が切れる。誰が新総裁になるのかは分からないが、この10年の尻ぬぐいは大変だろう。

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