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2023年2月 6日

誰が尻ぬぐい

Photo_20230201074701 「『送料有料』です!」=3年3カ月ぶりの新刊(1月26日初版発行 白桃書房)

 「令和臨調」が政府や日銀に対して財政・金融政策の見直しを提言した。素人ながら共通する指摘が多い。アベノミクスの虚構を支えたのが「異次元」の金融緩和だった。9年半ほど前の2013年7月20日の当コラムを転載する。

 「ある企業の話しである。この間、ずっと業績不振が続いていた。そのような中で約半年前に社長が交代した。新社長は‥‥一部の社員を可愛がり、その社員たちを引き連れて連日のように夜の街に繰り出すようになった。社長から誘われるメンバーはホクホクである。‥‥いっさいお誘いを受けない社員たちすら、羨ましい気持ちを持ちながらも、そのうち自分もご相伴にあずかれるかもしれない、という淡い期待や雰囲気が社内に漂うようになっていた。‥‥ところが、一部の社員たちだけに大判振る舞いしていた費用は、業績が良くなったから捻出できたのではなかった。ただ借入金を増やして得た金だったのである。‥‥業績が回復するどころか、財務内容が悪化し経営はより危機的状況になっていた‥‥この間に大きく増加した借入金は、連夜のお誘いには無縁だった社員たちや、これから入社してくる人たちが働いて返済していくことになる」。

 その借金を支えていた人が黒田さんという人だった。「異次元」に国債を買い入れて政府の財政を支え、ETF(上場投資信託)を通して「異次元」に株を買って株価を支えた。その他にもマイナス金利政策の結果、銀行の諸手数料値上げとなって一般国民にツケを回している。さらに「異次元」の金融緩和は円安となって諸物価の高騰を招いている。これらの恩恵を受けている企業の社員は賃金が上がっても、下請け企業などの社員は一向に賃金が上がらない。

 そのような中で、日銀総裁の任期が切れる。誰が新総裁になるのかは分からないが、この10年の尻ぬぐいは大変だろう。

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