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2023年4月

2023年4月24日

Chat GPT(対話型人工知能)

Photo_20230417175101 愛宕神社=東京都港区

 Chat GPT (対話型人工知能〈AI〉)が何かと話題になっている。AIなど難しいことは全く分からないが、質問するとすぐに回答してくれるらしい。使い方によっては確かに便利で有用なことは事実だ。だが反面、弊害も多いだろう。個人情報保護や著作権侵害防止、その他、様々な面から規制すべきだという意見も出ている。

 法律上の諸問題はもちろんだが、長期的に見ると人間の思考力の衰退が心配される。チャットGPTの回答を無批判に信じてしまうと、自分で物事を判断することができなくなってくる。チャットGPTの回答も数ある意見や考え方の一つに過ぎないと相対化し、回答内容の是非の判断も含めて、あくまで参考意見の一つとすることが重要だ。とくに小中学生の学習、高校生の受験勉強、大学生の卒業論文など、学校教育には両刃の剣である。上手に使えば能力を伸ばすが、下手に使うと能力の低下を招く。リテラシー教育も不可欠である。

 しかし、現実をみるとチャットGPTの出した答えは総て正しいと無批判に受け止めてしまうような人が多いだろうと予想される。現にネット上でフェイクニュースが瞬く間に拡散するのは、その具体的な現れである。このような実態を目の当たりにしていると、チャットGPTの規制もやむを得ないだろうと思わざるを得ないのだが、それにも問題がないわけではない。

 チャットGPTの使用を規制ないしは禁止する国もある。正当なやむをえない規制や禁止もあるが、一方、AIが政権や権力者にとって不都合な回答を出すことを防ぐことを目的にした禁止もある。後者についていえば、「捏造」発言などで論点がずれてしまったが、我が国の「放送法」と「政治的公平性」をめぐる一連の動きも、権力者にとって都合の悪い報道に圧力をかけた点では同じである。現在の一見「公平」な報道も、実は裏側では様々なバイアスがかかっていることを見抜かなければならない。これからの社会はリテラシーがますます重要になってくる。

 ところで最近は歳のせいか思考力が衰え、物忘れも激しくなってきた。最初に「私が質問したかったことは何だったでしょうか」という問いからチャットGPTに回答してもらわないと前に進むことができない。

2023年4月17日

外国人雇用に門戸開放か?

Photo_20230412092501 日本三奇矯の一つ猿橋=山梨県大月市

 報道によれば技能実習制度を見直すようだ。同制度は、外国人が日本で技能を学んで母国に持ち帰るという目的で1993年に始まった。だが実態はどうかというと、建前では外国人の雇用を認めないが、実質的には人手不足を補うために外国人を就労させる制度といえる。しかも「実習」という名目なので安い賃金と劣悪な労働条件で就労させていた。中には賃金未払いなどもあるようだ。

 一方、一部の「実習生」の側に問題があったのも事実だ。原則的に転籍は認められないが、実習先を抜け出して他の企業で不法就労している人たちがいた。多額の借金をして来日する人も多く、その返済に迫られているといった切実な事情もある。

 トラック運転業務は特定技能に指定されていない。そこでドライバー不足を補うために外国人の就労を認めるように要望する人たちもいる。だが、そのような主張をする人の中には、「人手不足の解消を日本人より安い賃金で‥」という魂胆が見え見えの人も少なからずいる。それでは運送業界における人手不足の抜本的な解消にはならない。

 外国人の就労が法的にオープンになって、自由に職業や会社を選べるようになれば、日本の若い人たちが敬遠する職業(会社)には、外国人だって応募しないのは当然だ。結局のところ労働条件の改善が人を確保するための要件なのである。日本人の若い人たちも積極的に応募するような企業になる、ということだ。

 技能実習制度をなくして、新たにどのような仕組みを導入するのかはまだ分からない。だが、外国人も日本人も同じ条件で働けるようにしなければならない。また、外国人の日本での就労に際して、中間に介在して搾取することができないようにする仕組みも必要だ。

2023年4月10日

「『送料有料』です!」増刷

Photo_20230406080001 JR八戸駅前=青森県八戸市

 拙著「『送料有料』です!」が増刷になった(2月6日づけ当コラムの写真参照)。初版1刷が1月26日で2刷が4月6日なので、2カ月と10日での増刷である。これまで一番売れた「トラック運送企業のマネジメント」は1刷(2005年9月16日)の2カ月後に2刷(同11月16日)だったので、今回はそれに次ぐ好ペースだ。1刷では校正ミスが何カ所かあったが、気づいたミスは2刷で訂正した。

 1週間ほど前に、あるターミナル駅の近くの大型書店に入った。書店に行くとビジネスコーナーで自分の本を確認する。ところが「『送料有料』です!」が棚にない。がっかりして下をみたら、棚の前に平積みになっていた(台に積み上げて表紙を上にして陳列)。逆に驚いて何冊重ねてあるかを数えたら6冊だった。嬉しくなって、「これでは手ぶらで店を出るわけにはいかないな」と本を1冊買うことにした。消費税込みで1980円の出費である。だが、衝動買いというわけではない。地方の出版社から出されている本で、もし置いてあれば買っても良いと思っていた本があったので購入したのである。

 「『送料有料』です!」が出版されて3週間後くらいに、版元から「出版業界関係者の評判が良い」というメールが来た。その時は、「へぇ、そうなんだ」という程度の受け止め方だった。だが、「朝日新聞」4月3日づけ朝刊の「書店空白地帯広がる」という記事を読んで、「そういうことか」と納得した。同紙によると、書店が1つもない市区町村が全国で26.2%にも上るという。書店の経営が成り立たなくなって廃業などが増えているのだが、それには様々な理由がある。その大きな理由の1つがネット通販のシェア拡大だ。そのためリアル書店の人たちには、ネット通販の「送料無料」に対する潜在的な反発意識があり、「『送料有料』です!」に好意的なのだろうと解釈したのである。

 新刊の書籍に関しては「再販制度」があるので定価販売をしなければならない。「送料無料」は実質的な値引きなので再販制度に違反している、という見方もできる。拙著「ネット通販と当日配送」(2014年1月)の中でその点を指摘しておいた。今回の「『送料有料』です!」でも「『送料無料』という欺瞞」のところで再販制度に違反すると書こうかと思ったのだが止めたのである。なぜかと言えば、それではリアル書店で行っているポイント還元はどうなのか、という点にも関連してくるからだ。

 それはともかく、書店で平積みしているのをみた数日後、別の駅の近くの大型書店に入った。すると、ここでは面陳列されていた(棚に並べているが、背表紙しか見えないのではなく幅をとって表紙が見えるように陳列)。販売する人たちが味方になってくれると心強い。目立つように陳列してくれるのもその表れの一つだ。また、親しい書店の店長から「これオススメですよ」といわれて購入したというツイートも転送されてきた。「異次元」の売れ行きになることを願う。

2023年4月 3日

QRコード

Photo_20230330172701 丹波山温泉のめこい湯=山梨県丹波山村

 文部科学省によると、2024年度から小学生が使う教科書には2次元コード(QRコード)が掲載されるという。教科書に掲載されているQRコードを端末で読み取って関連教材を学習するらしい。紙の教科書と端末の両方を使った教育になるのだろう。

 1カ月半ほど前になるが、PR用小冊子を作成する編集会議で「裏表紙にQRコードを印刷した方が良い」という意見が出た。業界のイメージアップを目的に、26年前から高校生を主な対象にして年1回編集・発行しているPR誌である。確かに、若い人たちはスマホでQRコードを読み込むのに慣れている。そこで表4にQRコードを載せて簡単に発行元のホームページにアクセスできるようにしようと即座に決めた。

 その1週間後に確定申告をした(当コラム3月6日づけ「確定申『酷』」)。税務署に行ったのだが、会場でスマホから自分で申告してくれと言われた。自分でネットで申告して間違うと困るから、わざわざ税務署に足を運んでいるのに、今年からスマホを持っている人は会場で自分でやるように、ということらしい。やむを得ずQRコードから申告書式に入力してやっと申告した。

 こんなこともあって最近はQRコードを意識するようになった。もちろんQRコードは以前から知っていたが、自分にとって身近なものという実感がなかったのである。だが、意識するようになったら最近はやたらと身の回りにQRコードが増えてきたことに気づく。新聞や雑誌などの活字媒体に掲載されている広告はもとより、テレビの画面にもQRコードがでてくる。

 さらに、QRコードがより身近になったのは3月中旬に開催されたあるセミナーだ。荷主の業界団体(一般社団法人)から「2024年問題」についての話をしてくれという要請だった。そのため資料をなどを事前に添付資料で送ったら、主催団体の事務局の担当者が、略歴を加工してYahoo!ニュース個人に書いている記事や、You Tube「物流報道局」で自分がインタビュアーをしているの番組「明日の一手」にQRコードからアクセスできるようにして参加者に配布してくれたのだ。自分でもやってみたら、こんな簡単にアクセスできるのかと楽しくなってきた。

 4月から一番年下の孫も小学校に入学し、4人の孫全員が小学生になった。時代の流れについていくのは大変だが、まだ当面は「じぃ~じ、QRコードはこうやるんだよ」などと言われなくてすみそうだ。

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