「『送料有料』です!」増刷
JR八戸駅前=青森県八戸市
拙著「『送料有料』です!」が増刷になった(2月6日づけ当コラムの写真参照)。初版1刷が1月26日で2刷が4月6日なので、2カ月と10日での増刷である。これまで一番売れた「トラック運送企業のマネジメント」は1刷(2005年9月16日)の2カ月後に2刷(同11月16日)だったので、今回はそれに次ぐ好ペースだ。1刷では校正ミスが何カ所かあったが、気づいたミスは2刷で訂正した。
1週間ほど前に、あるターミナル駅の近くの大型書店に入った。書店に行くとビジネスコーナーで自分の本を確認する。ところが「『送料有料』です!」が棚にない。がっかりして下をみたら、棚の前に平積みになっていた(台に積み上げて表紙を上にして陳列)。逆に驚いて何冊重ねてあるかを数えたら6冊だった。嬉しくなって、「これでは手ぶらで店を出るわけにはいかないな」と本を1冊買うことにした。消費税込みで1980円の出費である。だが、衝動買いというわけではない。地方の出版社から出されている本で、もし置いてあれば買っても良いと思っていた本があったので購入したのである。
「『送料有料』です!」が出版されて3週間後くらいに、版元から「出版業界関係者の評判が良い」というメールが来た。その時は、「へぇ、そうなんだ」という程度の受け止め方だった。だが、「朝日新聞」4月3日づけ朝刊の「書店空白地帯広がる」という記事を読んで、「そういうことか」と納得した。同紙によると、書店が1つもない市区町村が全国で26.2%にも上るという。書店の経営が成り立たなくなって廃業などが増えているのだが、それには様々な理由がある。その大きな理由の1つがネット通販のシェア拡大だ。そのためリアル書店の人たちには、ネット通販の「送料無料」に対する潜在的な反発意識があり、「『送料有料』です!」に好意的なのだろうと解釈したのである。
新刊の書籍に関しては「再販制度」があるので定価販売をしなければならない。「送料無料」は実質的な値引きなので再販制度に違反している、という見方もできる。拙著「ネット通販と当日配送」(2014年1月)の中でその点を指摘しておいた。今回の「『送料有料』です!」でも「『送料無料』という欺瞞」のところで再販制度に違反すると書こうかと思ったのだが止めたのである。なぜかと言えば、それではリアル書店で行っているポイント還元はどうなのか、という点にも関連してくるからだ。
それはともかく、書店で平積みしているのをみた数日後、別の駅の近くの大型書店に入った。すると、ここでは面陳列されていた(棚に並べているが、背表紙しか見えないのではなく幅をとって表紙が見えるように陳列)。販売する人たちが味方になってくれると心強い。目立つように陳列してくれるのもその表れの一つだ。また、親しい書店の店長から「これオススメですよ」といわれて購入したというツイートも転送されてきた。「異次元」の売れ行きになることを願う。
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