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2024年3月

2024年3月25日

「異次元」後遺症

Photo_20240322152701 宇都宮ライトレール=栃木県宇都宮市

 やっと日銀が「異次元緩和」から金融の正常化に向けて政策転換を図ることになった。悪夢の「アベ黒ノミクス」からの決別である。だが、後遺症が心配だ。時間をかけて慎重に正常化を図らなければならない。

 マイナス金利の解除や長短金利操作の枠組み撤廃による影響をいかに少なくするか。時価ベースで70兆円ともいわれるETF(上場投資信託)による株の買い入れを終了し、どのように保有株を市場に放出するか。株式市場を正常な状態にする過程で、逆に株式市場に大きな影響を与えてはいけない。また、発行残高の5割超にもなる約590兆円に上る国債保有といった問題もある。この膨大な国債保有を減らすことは容易ではない。国としても、財政的には金利の上昇で国債の利払いが増えることになる。

 このように「アベ黒ノミクス」の後遺症は大きい。植田日銀総裁も大変な責任を背負わされたものだ。ひたすら願うのは、一部の富裕層ではなく、多くの国民にとって幸せをもたらす金融政策への回帰である。

 だが、与党内ではまだまだ積極財政派の力が強いようにみえる。それに財政再建派より声が大きいのが特徴だ。さらに安倍派の「積極財政」のセンセイ方と、パーティー券のキックバックや中抜き収入の政治資金収支報告書への不記載(過少記載)のセンセイ方の多くが重複しているのも興味深い。

2024年3月18日

日本三名園

Photo_20240311102401 偕楽園 好文亭から千波湖を望む=茨城県水戸市

 日本三名園といえば岡山の後楽園、金沢の兼六園、水戸の偕楽園である。

 昨年6月に兼六園に行った(2023年6月19日づけ「根上松〈値上がりで音を上げる〉」に写真掲載)。7月には後楽園である(7月31日づけ「暑い! 暑い!」に写真掲載)。残るは偕楽園だが、水戸には仕事で毎年数回は行っており、その都度、偕楽園の前をタクシーで通る。そこで、ついでに偕楽園に寄れば2023年は1年間に三名園全部に行ったことになると思っていた。だが、偕楽園はいつでも行けるし、過去に何度も行っているのでついうっかりして年を越してしまった。

 そこで2023年中ではなく2023年度中に三名園に行くことにしようと頭を切り替えて、仕事のついでに寄った。これで1年(度)間に三名園を訪ねたことになる。

 こんなことを書くと、のんびり気ままに遊びながら仕事をしているように思われるかも知れない。だが、実態はけっこう大変である。仕事をしないと生活ができない。だから仕事優先で手抜きせずに集中し、その合間のわずかな時間に、出張先の近くの名所などを駆け足で周っているのだ。それができるのも1人で生きている「特権」といえるかも知れない。だが、精神的な余裕をもって働かないと、仕事は楽しくやれない。緊張と弛緩の切り替えが必要だ。

2024年3月11日

新カテゴリー「インボイス倒産」

Photo_20240305092101 善光寺=長野市

 毎年のことだが今年も確定申告をした。年に1度の大仕事である。

 確定申告はWebでも可能だが、どうも不安なので税務署に行って担当者に入力してもらう。だが、税務署に着いてから申告が終わるまで3時間もかかってしまった。その間、ほぼ立ったままで順番待ちをしなければならない。

 昨年、ひょっとしたら花粉症かな? と自覚するような症状が少しあった。初めてのことである。それが今年は完全に花粉症と分かるほどひどい。目がしょぼしょぼして涙が出るし、クシャミ、鼻水、それに体も疲れやすい。そんな状態で確定申告のために3時間近くも立ったままでいると、申告などしなくても良いか、と思えてくる。

 これは今年に限ったことではなく、順番待ちしている間にいつも考えるのは、こんな思いをしてまでなんで申告しなければならないのか、ということだ。それも還付されるのならまだしもだ。原稿料や講演料は最初から源泉税が引かれている。にもかかわらず3時間も立ったまま待たされて、その結果、所得税を支払わなければならない。今年はさらに消費税も加わった。

 今回の消費税は、昨年10月~12月分が対象で2割特例がある。もし、まるまる1年分になって、しかも2割特例がなくなったらと思うと、今から頭が痛い。

 さらに3月末は会社の決算だ。1人だけの会社でも決算はしなければならない。会社の決算は税理士に頼んでいるが、日ごろから黒字にならないように「努力」している。利益が出たら税金が高くてたまらないからだ。だが、消費税は赤字でも支払うことになる。

 軽減税率をごり押しする政党があったから、抱き合わせでインボイスが導入された。そのため今年は、廃業や倒産する零細業者が増加するのは間違いない。信用調査会社は今年から「インボイス倒産・廃業」という新たなカテゴリーを設けることになるだろう。国会は政治倫理審査会に注目が集まっているが、政党交付金などなくすべきだ!

2024年3月 4日

スマホ操作

Photo_20240229131301 湯の香通り=山口市 湯田温泉

 スマートフォンを2台持っている人は珍しくないだろう。たいていは自分のスマホと会社から貸与されたスマホである。中には個人的にスマホを2台持っている人もいる。

 1カ月ほど前の日曜日に、電車で出かける用があった。JRで行ってある駅から私鉄に乗り換えて片道50分程度である。私鉄はその駅が始発で、往きの電車は少し混んでいたが、自分は座ることができた。するとおそらく30歳代後半と思われる男性が、カバンを肩に下げて立ったまま熱心にスマホを操作していた。電車は絶えず揺れているので目が疲れるだろうと思っていた。だが自分が降車する駅まで、ずっと立ち通しでスマホに集中していた。

 用事が済んだので3時間後ぐらいに帰りの電車に乗った。今度は社内がすいていて楽に座ることができた。するとほぼ真向いの席に、さっきスマホに熱中していた人が座っていた。やはりスマホを操作している。今度は両手に1台ずつ持って、交互に画面に目を向けている。

 その人が座っている席との間には立っている人がいないので、自然に目に入ってしまう。すると、左右の手で2台のスマホを操作しているだけではなく、右手の脇のところにもう1台のスマホを抱えていた。計3台である。そして1台のスマホを膝の上のカバンに入れると小脇に抱えていたスマホを手にとって、やはり左右の手で1台ずつ、同時に2台のスマホを操作しだした。交互に見ているようだ。

 ところがである。1台のスマホをまたカバンの中に入れると、もう1台をカバンから出してやはり2台のスマホを操作しだした。少しするとそのうちの1台をカバンに入れて、カバンから別のスマホを出す。そして2台同時に捜査している。ずっと、そんなことを繰り返している。

 こっちも物好きといえばそれまでだが、それとなく見ていて気づいた。全部スマホの色が違うので分かったのだが、確認できただけでも4台のスマホをとっかえひっかえ操作しているのだ。私鉄の終着駅までずっとである。

 4台ものスマホを交替しながら操作し、いったい何をしているのだろ? 全部自分のスマホだとしたら、毎月、通信費はどのくらいの金額になるのだろう? 自分は1台のスマホでも使いこなせないし1台分の支払いでも大変だというのに。

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