遅い「雨季(梅雨)」到来
函館山から市街地を望む=北海道函館市
東京では「雨季(梅雨)」の到来が例年よりだいぶ遅く、暑い日が続いて梅雨を飛び越えて夏が来たような感じだった。関東甲信地方の梅雨入りは21日。一方、沖縄ではその前日の20日に梅雨明けが発表されている。
個人的には雨より晴の日の方が良いが、心配なのは農産物への影響である。それでなくても生鮮食品、加工食品に関わらず価格が高騰している。そこに夏野菜さらには秋野菜の収穫量にも影響が及ぶかも知れないような天候不順が重なると、農産物の価格高騰が心配になってくる。
先日、所用があって北海道に行った。たまたまその翌日に物流学会北海道部会があり、同時に、学会に新たに創設されたサステナブル研究会の第1回研究会も開かれたので参加した。その後の懇親会の場だったと思うが、雑談の中で誰かが「沖縄で消費されているコメの約20%は北海道産」と言っていた。
最近は品種改良と、さらに地球温暖化の影響もあって旭川よりも北の地域でも米が取れるようになっている。北海道産の米のブランドは「ゆめぴりか」として有名だ。
農林水産省の2022年産「水陸稲の収穫量」によると、北海道は新潟県に次いで収穫量が2位になっている。一方、収穫量が少ないのは47位の東京都、それに次いで沖縄県が46位である。
たしか稲作は東南アジアなどの暖かい地域が主だったはずだが、生産地が北上しているのは品種改良の成果だけではなく、温暖化の影響も大きいのではないだろうか。このように見ていると、梅雨入りが「例年」より何日遅いとか早いといった発想を転換しなければならない。「現在」が「例年」なのである。
最近のコメント