国政より我が議席
筑波スカイラインより男体山を望む=茨城県つくば市
自民党の総裁選をめぐる動きが連日ニュースになっている。立憲民主党の代表選もあるのだが、報道の量からいったら大きな差だ。公明党も9月に党大会を予定していて、山口代表が続投するのかどうかが焦点の一つだが、マスコミの報道は少ない。
自民党は麻生派(志公会)を除いて派閥はないことになっている。そのため多数の立候補が予想されている。かりに10人が立候補するとしたら推薦人だけで200人になる。それを考えても最初の投票で決まる可能性はほとんどないだろう。決戦投票になるのは間違いない。
自民党の総裁選をめぐる報道で感じるのは、国民と国政という視点が欠落している点である。現在の議席数なら自民党総裁は総理大臣になる。だから本来なら候補者間では国政的な観点から政策論争があるべきだし、総裁を選ぶ人たちも総理を選ぶのだという自覚が欲しい。
だが、総裁候補者も総裁を選ぶ人たちも「次の選挙でできるだけ議席を減らさない人を総裁に」という認識しかないように見える。自民党の総裁を選ぶのは党員なので、党外の人間が何を言っても仕方がない。だが自民党総裁ほぼイコール総理大臣ということになると党外の我々も無関心というわけにはいかない。
議員よりも一般党員の方が国民(有権者)の感覚に近いはずだ。そこで決選投票になったら、議員の人たちは自分の選挙区の一般党員の意向を尊重すべきだろう。そうしないと次の選挙でできるだけ自民党の議席を減らさないような人が、国政を担う総理大臣になってしまう。国民にとってこんな不幸はない。
このようなことばかりやっているのなら、総理大臣は国民の直接選挙によって選出するようにすべきだ。
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