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2024年9月23日

ネット情報と新聞

Photo_20240916094201 「そよ風と遊ぶ道」=北海道苫小牧市

 いつも散髪をしてもらうBarberのT君が最近事務所で新聞を取るようにしたという。T君とは新宿西口の某ビル内にある理髪店に勤務しているころからの付き合いなので長い。新宿の店に配置転換になる以前はドイツのハンブルグの店にもいた。その後、日本橋の店や東京駅の地下街にある店に転勤になったが、その都度、勤務先の店まで通って散髪してもらっていた。そして10年ぐらい前に独立して銀座の四丁目交差点から300mぐらいの所に店を構えて営業してる。

 T君はなかなか多才で音楽のライブ活動などもしているし、いろいろな講習会などにも通って各種の資格も取得している。1人で理髪店をやっているので仕事では時間的な制約がある。だが、それ以外の自分の時間は自由にできるのが自営業者の良さでもある。

 ところで、なぜ新聞を購読するようになったのか。ネットでもニュースは読んでいる。だが、それだけで良いのだろうか、と思い至ったようだ。ネットでは、ニュースにしても自分に関心のあるものだけにアクセスが集中する。特定の分野に偏ることの弊害に気づいた。社会全体を俯瞰する眼がなくなってはいけない、と考えるようになったのだという。

 アメリカの大統領選挙がもうすぐ始まる。その前哨戦が全米で展開されていて、日本でもニュースとして報道されている。驚くのは公の場でウソ(と思われる)や、対立候補の悪口を平然と言っていることだ。しかも、熱狂的な支持者はウソ(と思われる)を信じて疑わない。相手に対する悪口や誹謗中傷には拍手喝采で盛り上がる。誰を支持するかは自由だが、自分たちに都合の良いことしか聞く耳を持たず、異なる意見は排除する。それが「民主主義」の国の選挙かと驚くのである。

 日本に限らず新聞は苦戦している。ネットのニュースサイトに押されて部数を減らしているからだ。そのような中で、購読部数が少ない地方では宅配を止める大手新聞も出てきた。心配なのは、ますます自分に関心のあるニュースしか読まなくなり、自分と異なる意見は排除するようになってしまうことだ。自民党の総裁選挙の立候補者の中にはウソや居直り、分断を指向する候補者がいる。実質的には総理大臣を選ぶことになるのだが党員以外には選べない。日本も分断社会に戻ることが心配だ。

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